第28話

ありがとう
34
2021/01/07 14:19
遥輝
心詩、ごめん。
遥輝
見つかんなかった.........
病室に戻ってきて物凄い暗い顔をしていた
心詩
いいよ。山川の責任じゃない
心詩
お前、妹はいいの?
遥輝
妹はドナー見つかって移植手術したから元気だよ
心詩
良かったね
遥輝
うん
やっぱりコイツとは気が合わない...
すぐに沈黙
遥輝
なぁ、聞いていい?
心詩
何を?
遥輝
心詩はどうして雪と一緒に居るんだ?
心詩
なんだよそれ。
心詩
お前まで雪の事を
遥輝
ち、違うから!
遥輝
ただ、こんなに仲いい奴ら見たことないから...
心詩
俺にとって、雪は全てだから。
遥輝
..................
心詩
必ず、俺が辛い時に傍にいてくれて......
心詩
いち早くに俺の事に気が付いてくれて
心詩
雪は覚えてないかもしれないけど昔こう言ってくれたんだ
心詩
「いつだってこうちゃんの味方だし、寂しい時は傍にいる」って
心詩
ほんとにっ......嬉しかったッ
心詩
お母さんは帰ってこないしっ...お父さんはたまにしか帰って来れないっ
心詩
雪だけが支えだったッ
とめどなく溢れてくる涙と思い
心詩
雪は気づいてくれるのに俺は雪の事気づいてあげれてないっ
遥輝
人の気持ちに気づくなんてそう簡単になんて出来ない。
遥輝
だから、あんまり気にしなくていいと思う。
遥輝
雪が優しすぎるんだよ。
遥輝
きっと寂しいから一緒に死のうなんて言われたら断れないと思う。
心詩
............














--------キリトリ線--------
んっ.........
女の人
おはよう
ッ!
女の人
そんな怯えた顔しないで
女の人
はじめましょうか
やだっ!死にたくないっ
お父さん
口開けろ
開けるもんかッ...
死にたくなんてないっ...
そう思っていると鼻をつままれる
ふっ...!
苦しくなって口を開けると薬が大量に
ゃ......だょ...
助けて、こうちゃん......
ゴクッ
女の人
のーんだ
.........
やだ.........やめて......
女の人
私達2人だけじゃ寂しいの、だから一緒にね?
寂しい...?
ギュッ
女の人
ごめんなさいね......昔も今も
ぇ......?
女の人
雪が苦しそうにしてるから.........
女の人
楽にさせてあげたいから...
じゃぁ......なんで...殴ってきたの......
女の人
離れていって欲しくないから.........
そっか......この人たちはただ不器用なだけなんだ。
女の人
こんなやり方しか出来ないの......
女の人
1人で逝くのは寂しいと思うから、一緒にね......
そんな事いってるけど、きっと、ただこの人たちは死にたいんだ。
ぼ、くは......
僕はこうちゃんをおいていけない......
でも、遥輝くんが居る.........
女の人
お願い
大丈夫だよね.........
男の人はもう薬を大量に飲んで横たわってる
ここで僕が死ななきゃこの人達の決意はどうなっちゃうんだろう...
どうせ不幸な人生なんだ、これぐらいいいよね。
わかった。
女の人
ありがとう
こうちゃん、お母さん、お父さん。これだけは許して...
こうちゃん。結局僕は冷たいよ。温かくなんてない。だって、こうちゃんの事置いて行っちゃう
ごめんね。ごめんね。
約束守れなくて。
ずっと一緒にいるって約束守れなくて
そして瞼を閉じた。

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