🐧side
あなたに会いたい
“何があってもあなたの味方”だって決めたんだもん
これからもあなたは私が傍で支えていくんだ_
そう思っていた時
ガタッ
ジョングクくんがイスから立ち上がった
そしてだんだんドアに近づく_
🐧「……待って」
気付けばジョングクくんを止めていた
🐇「…何だよ」
🐧「あなたのとこに行くつもり?」
🐇「…ああ」
今更なに?あなたを辛い目にあわせてきたのにまだあなたに何かするつもりなの?もうやめて…
ジョングクくん、私はあなたが分からない
あなたをどうしたいの?
🐧「あなたのところには行かせない。もう泣きそうなあなたなんて見たくないの。」
🐇「俺だってもう2度とあいつを苦しめたくねぇ」
🐧「だったら行かないで…。私はあなたを守りたいの。お願い、分かって…」
🐇「……」
ジョングクくんは俯いてしばらく黙っていた
何か言ってよ_
🐇「俺はあなたに会いてぇ。あいつは俺にとって特別な存在なんだ。その事にやっと気づけたんだ。会って伝えないときっと後悔する。だから頼む…。あなたに会わせてくれ」
そう言ってジョングクくんは頭を下げた
🐧「……っ!」
言葉が出なかった
ゆっくりと頭をあげるジョングクくんの目は決意そのものだった
思わず圧倒される
🐧「でもっ…!」
🐇「…お前は1人で何でも抱え込みすぎだ。今まであなたの傍にいて支えてきたことは分かる。けど<自分がどうにかしないと>って考えすぎじゃねぇの?」
🐧「それの何が悪いって言うの?!」
🐇「少しくらい周りに頼れよ。もう1人で悩むな。あいつは…あなたはお前が悩みこむ姿なんて見たくないはずだ。お前があいつの泣きそうなところを見たくないように」
🐧「ジョングクくんに私達の何が分かるの?!
会ってまだ間もないのに!」
違う_
🐧「同情なんてしないで!」
こんな事じゃない_
🐧「私には頼れる人がいない。ずっと1人であなたを守ってきた。今更頼っていい人なんて_」
こんな事言いたくないのに_
🐇「俺がいる」
え…、今なんて…
🐇「俺だってあなたをこの先守りたい。あいつの辛いこと悲しいこと全部背負ってやりたい。だからもう1人で抱え込むな、俺がいる。俺を頼ってほしい。」
今までそんな事言われたことなかった
あなたが泣いているのに私が泣いちゃいけない_そうやって強がってきた。
でもホントはあなたが辛そうにしている時私も泣きたくて誰かを頼りたくて…。ずっと1人で抱え込んできた
「大丈夫だよ」この言葉に全部隠してきた
でも…今は違うのかもしれない
ジョングクくん、あなたのその言葉信じても良いですか?
🐧「……うっ…グス」
🐇「お前も今まで頑張ってきたんだな」
ジョングクくんは私の頭をポンポンっとしてくれた
大きくて温かくて優しい手だね_
“俺がいる”
もしこの言葉を信じていいのならお願い
🐧「ジョングクくん、あなたを助けてあげて。あなたに色のない世界は辛すぎる。お願い、あなたをその世界から出して。もう辛い目にあわせないで。」
🐇「おう。約束する」
そしてジョングクくん
あなたの気持ちにも気付いてあげて_
🐧「あなたは多分屋上にいる。何となくそう思うの」
🐇「分かった」
そう言い残すとジョングクくんはあなたのいる方向に向かって行った
あなた、あなたはとても素敵な人に巡り会ったんだね
彼ならきっとあなたを色のない世界から連れ出してくれる
悔しいけどジョングクくんにあなたの事託すよ。だってあなたには今は私より彼の方が必要だと思うの
どうかあなたとジョングクくんの想いが通じ合いますように_
NEXT_
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!