🐇side
あれから俺はあなたを保健室に運んだ
🐇「先生、ちょっと…」
保健室はシーンとしていて先生は留守だった
そういえば今日は昼上がりって言ってたったけ…
ゆっくりとあなたをベッドに寝かせる
よほど威力が強かったのかあなたの顔が赤くなっている
🐇「…とんでもねーな…」←
とりあえず冷やすもの…。そう思ってタオルを探しに行った
ジャー
タオルを濡らしながら今までのことを何となく思い返す
あなたと初めて会った日、放課後の時間、そしてケンカした時…
結局俺は_
あの時間がホントに楽しかったんだ
今だってあの当たり前だった時間に戻りたくて仕方がない
🐇「もう1度やり直せるかな…あなた…」
濡らしたタオルをあなたの方へ運んだ
相変わらずあなたは意識を失ったままだ
🐇「…いつまで寝てんだよ」
長いまつ毛・綺麗な鼻筋・可愛らしい唇・白い肌…
あの時思わず見惚れたその顔立ち
やっぱりあなたは“綺麗”だ
🐇「…あなた」
気づいた時には俺の手はあなたの顔の方にのびていた
ピタッと動きを止めた
🐇「は…。俺今何しようとして…」
あなたに触ろうとした…?
でも触れなかったのが事実だ。まだどこかで不安がっている自分がいると思うと情けなくてしょうがない
🐇「戻ってきてくれよ…。何もかも全部…!」
そうやって俺は1粒涙を落とした_
NEXT_
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。