赤葦視点
すぅ、と目を開けてまず視界に飛び込んだのは、愛しくて堪らない恋人の寝顔
見惚れるほど綺麗な金髪に、長いまつ毛
細い髪から覗かせた白肌は心を抉っていくような感覚に陥らせた
この人は自分の恋人であると鼻を高くできるほどに、美しい人だ
とても綺麗で、自慢の__…
「…ん、………?」
「…おはようございます」
「…んー、
……おはよぉ」
心地の良い、鈴を転がしたかのような華麗な声色
きっと、貴方にしか出せない色
朝起きてこんなだなんて、俺はなにか前世に良い行いでもしただろうか
なんて、ふざけて。
動く度にシャカシャカと音を出すシーツに紛れて、額に唇を落とした
「んは……なんだよ」
「いえ。 」
擽ったそうに、少し眠たげに。
にししと笑う姿とともに細められた瞼から除く瞳に心を奪われた
なんとも、愛しい
「…はぁ、こんな幸せでいいのか」
独り言気分で呟いたその言葉を、俺の恋人は優しく拾い上げた
「俺も、いっつも思う。
毎日赤葦と迎える朝が、こんなにあったかくていーのかなーって」
かわいい(迫真)
カーテンから漏れる陽射しが暖かくて、あなたの髪の毛がさらっと靡く
今だから味わえる幸せの形を噛み締めて、自分より一回り小さい体をそっと抱いた
「なーに」
「…ふふ、何もないです」
「そんなわけねーだろー。
ほれ、吐け吐け」
寝起きで舌っ足らずな可愛い自慢の恋人
ほわほわした雰囲気を醸し出して俺の部屋着を握る姿は1級品並の様になる
誰にも渡さないし、渡したくなんてない
もし貴方が俺の事を嫌うのなら、一生分の後悔を抱えるだろう
来る者拒まず去る者追わず、とかなんとかいうけれど
去る者に異様な執着がある場合はどう凌ぐというのだろうか
まぁ、あなたに尽くしたいだけだからなんでもいいです
「木葉さん、好きです」
「俺もー。けどもう一声!」
「…愛してます」
「ふへへ、俺も愛してるよ」
こんなに柔らかくてデレデレなのは、このひと時限定で、朝特権の幸せ
こんな日々を、毎日
普通じゃ味わえない、2人で作る幸せの形を
「ずっと一緒ですからね」
「なーに今更。当たり前」
あなたと俺で、これからも。
_________赤葦×木葉『幸せの朝』












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。