第30話

twenty-nine
48
2022/06/05 15:00
……
…………
どこからか、声が聞こえる。
黎離ッッッ!!!!!!
黎離
黎離
ッッッッッ?!
大きな声が聞こえ、跳ね起きる。
東雲 霧矢
東雲 霧矢
よかった。目が覚めた………。
黎離
黎離
なッッッッッ?!
なぜ、こいつがここにいる?!
疑問を口に出そうとしたが___止めた。
何故ならこの部屋に見覚えがないからだ。
霧矢の後ろにはキュエラと蕃茄もいるし…
これは夢だろう。
………否、
一つの"可能性"というべきか。
東雲 霧矢
東雲 霧矢
しばらく目が覚めないから心配だったんだ…。大丈夫か?
何を答えればいいんだ…?ボクは…。
考えていると口が勝手に動いた。
黎離
黎離
うん。大丈夫…。心配してくれてありがとう。
…変な感じだ…自分のはずなのに、自分ではないような、そんな感じがする。
東雲 霧矢
東雲 霧矢
だが、まだ休んでおいたほうがいい…。ゆっくり休め。
黎離
黎離
…うん、ありがとう。
あぁ…。
いいなぁ。この世界のボクは。
まだちゃんと"兄"と呼べる存在がいるんだ。
東雲 霧矢
東雲 霧矢
俺は…そそろ仕事に戻らゃいけないか
急に所々聞こえづらくなる。
東雲 霧矢
東雲 霧矢
お…は、ゆ……り……め……
なにか言うと霧矢は部屋から出、それに続いてキュエラと蕃茄も出ていった。
あの二人は多分、ボクのことを嫌っていて、霧矢兄さんに着いてきた…ってだけなんだろう。
一人になった黎離は……だんだんと意識が薄れていった。













黎離
黎離
ん………ぁ?
目が、覚める。
ここは…………外、か。
あぁそうだ…能力を使ったあと倒れて………。
立ち上がり、辺りを見回す。
兵の死体が転がっており、地面が赤く染まっている所もある。
見える範囲内には生存者はいないようだ。
黎離
黎離
(国…はどうなっ…て。)
目の前にある門をくぐり、そして止まる。
黎離
黎離
なん…だこれ。
建物は壊れており、地面は瓦礫で埋め尽くされている。
所々赤く染まっていたり、死体が転がっている。
兵や、一般人、老人、子供、見境なく。
黎離
黎離
なん…で、こうな…って?
ボクが倒れている間にされたわけではないだろう。
それならボクは殺されてるはずだから。
でもボクがフェーラル王国にいるときでもないだろう。
だって皆が止めてくれてたから……………。
つま、り。
国内で争っていた、ということになる。
黎離
黎離
なん、で…?
どうして、こうなった。
なんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
黎離
黎離
う…あぁ…………っ
唐突に理解する。
理解、してしまう。


ボクは、国民に信じられていなかったんだ。
黎離
黎離
は、はは………。
ここでも、同じか。
繰り返し、なのか。
黎離
黎離
笑え…………な…い。
どこかにどこかに生存者は______
やぁ。元気かな?
後ろから、声が聞こえた。
黎離
黎離
お前はッ________
蕃茄
蕃茄
久しぶり…かな?黎離。
バーベリ・キュエラ
バーベリ・キュエラ
あーーーーーーいつぶりだっけ?私達がペインミストに侵入した時か。
こいつらも大分傷を負ってたはず。


ボクはそんなに長い間眠っていたのだろうか。
辺りを見回して、キュエラは言う。
バーベリ・キュエラ
バーベリ・キュエラ
ふーん、国民にも信じられてなかったか。滑稽だね。
………なぜ見回しただけで理解できるのか………
黎離
黎離
……
蕃茄
蕃茄
へぇ……そうなの?可哀想。
蕃茄
蕃茄
国民にも裏切られ、自分しか生き残らないんだったら大人しく霧矢様に殺されれば良かったのにねッ♪
あははっ………と蕃茄は笑う。
バーベリ・キュエラ
バーベリ・キュエラ
いいじゃん別に。結局こいつは死ぬんだから。
あぁ、こいつらはボクを殺すために来たのか。
蕃茄
蕃茄
ボクらも大分被害を受けたけど……まぁ、勝ったも同然だしいいよ。これからゆっくり直していけばいいしね!
あぁ____________________















うるさいな。



直後、


ドガァァァァァァァァァァァァァァァン
今まで聞いたこともないくらい大きな音がした。




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