第10話

消えた。
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2021/03/04 09:37
渡辺side





俺は走って彼女の家に向かう。

そのきっかけは康二からのLINE。


『 なんで家にいるんだよっ、、 』


俺は自分から離れたはずなのに気づいたら

家の前に着いていた。

意を決してチャイムを押す。

しかし何回押しても誰も出ない。


『 …電気ついてる、よな。まさかっ 』


俺はドアを開けてみる。

するとドアは簡単に開いてしまった。

けど、そこには誰もいなくて

残っているのは大好きな彼女の匂いと

康二、目黒の匂いと洗い掛けの食器だった。


『 鍵もかけないで、洗い物も途中で、

男の匂い残してどこいったんだよっ、、 』


あなたに電話をかけてみるが出ない。

なんで繋がんないんだよ、、、




あなたside





私は外に出た瞬間に知ってる匂いに包まれる。

そしていつの間にか目を塞がれて口も塞がれて

身動きも取れない状態になっていた。

やだ、怖い、誰?

車に乗せられた時私は誘拐されているのだと

初めて気づいた。

私の携帯は光を発して必死に震えている。

その画面には ″ 翔太くん″ の文字が光る。

翔太くん、、助けてっ




向井side





めめと他愛もない話をしながら帰っていると

俺の携帯が震える。

そこには ″ 翔太くん″ の文字が光る。


向井「 もしもし?どしたん 」


「 どしたんじゃねえだろ、ふざけてんの? 」


携帯からは怒っている時の翔太の声がした。

けど、少し震えていた。


向井「 え、ちょっと何言ってるんかわからんねんけど 」


「 は?、、康二たちじゃねえの? 」


向井「 待って、なんの話ししてるん 」


「 ったんだよ…っ 」


向井「 え?なんて? 」


「 あなたがどっかにいなくなったんだよ! 」


向井「 え、ちょっと何言ってるん。

彼女さんなら俺ら送ってくれたあと

ちゃんと家はいんの見たで? 」


「 でも洗ってる途中の食器残して…

電話にも出ないんだよ… 」


めっちゃ苦しそうな声が聞こえた。

きっと泣きたいのを我慢しているのと

後悔と不安とが入り交じっているんやろう。

そんな声はめめにも聞こえてたんか


目黒「 え、俺ら居た時洗い物してないよ?

それって誘拐じゃ… 」


俺は翔太くんに電話越しで怒りながらゆーた。


向井「 あほ!いなくなったじゃないやろ!

彼氏ならちゃんと探して救ったれ! 」


…にしてもどこ行ったんやろ、、

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