第38話

実家に帰らせていただきます
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2021/03/20 04:42
渡辺side

『 わたくし実家に帰らせていただきます 』


「 …え? 」


『 聞こえなかった?わたく…

「 そうじゃなくて!俺なんかした? 」


『 えっへへ〜笑 』


「 え、なになになんなの 」


『 ドッキリ大成功〜 』


「 は?ドッキリ?じゃあこの荷物は? 」


『 あ、帰るのはほんとだよ 』


「 まって、パニックパニック 」


『 だからね… 』


話を聞くとどうやらあなたの実家は

また関西に戻ったらしく、

引越し祝い的なのをしに行くのだという。

ついでに友達( 女 )にも会うのだとか。


「 ほんとに女の子だけだよね? 」


『 もちろんだよっ!』


「 んーじゃあせめて送り迎えだけさせて?、 」


『 わかった! 』


「 よし。えっと、東京駅でいいんだっけ? 」


『 うん!そっから新幹線でいく! 』


「 大阪着いて迷子にならない? 」


『 大丈夫!ママたちが迎えに来てくれる 』


「 え、サプライズじゃないの? 」


『 …あ、 』


「 ほんとサプライズ下手だよな笑 」


『 そんなこと言わなくてもいーじゃんっ 』


「 ごめんごめん笑 車回すから下におりてて 」


『 はーい 』



「 で、何泊すんの 」


『 わかんないけど少なくとも2泊は 』


「 2泊も?! 」


『 パパとママいつも引き止めてくんの 』


「 そっかー、、 」


こんなかわいい娘が帰ってきたらそりゃ

帰したくもなくなるよな。


『 その間家にスノさんとか仲良い人

あげていーよ! 』


「 うん、ありがとな 」


『 あ、ここで大丈夫!ばいばいっ 』


「 うん待って軽くない? 」


『 んー、、じゃあ… 』


そういってあなたは俺の頬にキスをする。

そして少し照れたのか目をそらすと


『 ばいばいっ 』


と小さく手を振って走っていく。


「 はぁー…反則だよな、あれ 」


寂しいけどちょっと我慢しよう。

そう思ったけど俺は大事なことを思い出す。


「 康二のこと…思い出したりしないよな? 」

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