渡辺side
『 わたくし実家に帰らせていただきます 』
「 …え? 」
『 聞こえなかった?わたく…
「 そうじゃなくて!俺なんかした? 」
『 えっへへ〜笑 』
「 え、なになになんなの 」
『 ドッキリ大成功〜 』
「 は?ドッキリ?じゃあこの荷物は? 」
『 あ、帰るのはほんとだよ 』
「 まって、パニックパニック 」
『 だからね… 』
話を聞くとどうやらあなたの実家は
また関西に戻ったらしく、
引越し祝い的なのをしに行くのだという。
ついでに友達( 女 )にも会うのだとか。
「 ほんとに女の子だけだよね? 」
『 もちろんだよっ!』
「 んーじゃあせめて送り迎えだけさせて?、 」
『 わかった! 』
「 よし。えっと、東京駅でいいんだっけ? 」
『 うん!そっから新幹線でいく! 』
「 大阪着いて迷子にならない? 」
『 大丈夫!ママたちが迎えに来てくれる 』
「 え、サプライズじゃないの? 」
『 …あ、 』
「 ほんとサプライズ下手だよな笑 」
『 そんなこと言わなくてもいーじゃんっ 』
「 ごめんごめん笑 車回すから下におりてて 」
『 はーい 』
「 で、何泊すんの 」
『 わかんないけど少なくとも2泊は 』
「 2泊も?! 」
『 パパとママいつも引き止めてくんの 』
「 そっかー、、 」
こんなかわいい娘が帰ってきたらそりゃ
帰したくもなくなるよな。
『 その間家にスノさんとか仲良い人
あげていーよ! 』
「 うん、ありがとな 」
『 あ、ここで大丈夫!ばいばいっ 』
「 うん待って軽くない? 」
『 んー、、じゃあ… 』
そういってあなたは俺の頬にキスをする。
そして少し照れたのか目をそらすと
『 ばいばいっ 』
と小さく手を振って走っていく。
「 はぁー…反則だよな、あれ 」
寂しいけどちょっと我慢しよう。
そう思ったけど俺は大事なことを思い出す。
「 康二のこと…思い出したりしないよな? 」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。