第26話

いい人たち
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2021/03/11 02:15
あなたside





『 でも…翔太くんはいいの? 』


「 うん。逆にそうしたい 」


なんの話しをしているかと言いますと…

遡ること3分前!


「 あなた? 」


『 どうしたの、そんなに改まって 』


「 俺、さ…同棲したい 」


『 え? 』


「 これまで寂しい思いさせたり危ない目に

合わせたりしたし、俺のいない家に誰かが

行くのやだ 」


そう言って真剣だけど少し恥ずかしそうに

話す翔太くん。

そう、私たちは同棲を始めることになったのです!


『 でも毎日会うのも同棲も嫌なんじゃ… 』


「 あなたは違うの。あなたならしたい 」


『 もうっ…恥ずかしい 』


「 俺まで恥ずかしくなるからやめて?笑 」


『 えへへっ 』


「 …んで、返事は? 」


『 もちろん、したいですっ 』


「 っしゃー。断られたらどうしようかと思った 」


っていって彼の匂いは私を包む。

私が断るわけないのにかわいいな 笑笑

その後彼は朝ごはんを勢いよく食べて

仕事に行く。


『 なんか…いいなぁっ 』


なんて私はまるで翔太くんの奥さんになった

気分になって嬉しくてうきうきする。

こうやってこれから毎日いってきます、

いってらっしゃい。ただいま、おかえり

ってできるんだな〜。

そして時計を見ると9:30をさす。

ん、9:30?…9:30!!!

私は大学の講義に遅刻してしまう!と

急いで用意をして家を出ていく。


『 浮かれすぎは禁物だな… 』


なんていつも通りぼっちの大学で独り言を呟く。

すると周りが騒がしくなり、みんなの視線の先を

見ると…


『 永瀬…くん 』


あれから1回も会えなくて謝れないままでいた。

せっかくのチャンスだけどあの中に行く勇気は

出ない。

永瀬くんは私と目が合うとすぐに逸らす。

まぁ、そうだよね…。なんて思っていたら

口パクで話す。


″ あ と で 裏 庭 に き て く だ さ い ″


周りの女の子にどうしたのなんて言われながら

彼は席に着く。

私はなんで謝ろうなんて考えて講義の内容が

頭に入ってこなかった。

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