第4話

消えた自転車は知っているその3
418
2021/02/13 10:44
授業が少し早めに終ったから特別クラスに行ったら少し寝ようと思った

教室に入ると誰もいない

え、何々寝てください感半端無いね~

アタシは席について寝始めた














 
アタシは暗闇に居た

何処を見ても暗い

?「あなた」

声がした方に振り返った

そこにはアタシの母、父、兄が立っていた

『ぇ...何で』

兄「おいで」

父「ずぅっと''独り''にしてすまなかったな」

母「さぁ、お母さんたちの所においで」

アタシはポートマフィアが大嫌い

お父さんとお母さんはマフィアの上級構成員
兄さんは体術、剣術等のことを毎日マフィアの人に習っていた

今は会えない人たち会いたかった。
嫌いだけれども
嫌いたくなかった人たち

アタシは手を伸ばした

伸ばした手が兄の手と触れた

触れた瞬間ドロリとした紅い液体がアタシの手についた

『にぃ、さん...』

兄「俺たちと一緒の所、行こう」

兄さんの所々から血がドロドロと出ていく

お母さんもお父さんもドロドロと

母「いきま...しょ、う」

父「こ...ぃおれ.......た...ちと」

兄「あなた.......」
















『っ.......』

嫌な夢見たな

若武「あ、起きたな」

『あれ、もう...』

若武「大変なんだ!」

『何が...?』

若武「俺のチャリが盗まれたんだ!」

若武「雨夜が寝てる時に、リサーチ開始するって話を皆にしたんだ」

『あぁ、うん』





上杉「乗ってくるなよ、新品のチャリ何かに」

黒木「そうだよ。盗られるの当たり前じゃないか。鍵や盗難防止用チェーン何か簡単に開くんだしさ」

若武「くっそ、もう少し早く授業が終わってたらな」

若武「犯行現場を押さえられたかもしれないのに」

黒木「出くわしたらそれこそ、あぶねーよ」

上杉「若武、チャリ、どこに置いたんだよ」

若武「こっちだ」

場所は、秀明ビルの西側に出るドアで、細い通り道を挟んだ向かい側はパチンコ屋の裏口、隣はスナックだった

わきには秀明の非常階段があって、その下に青いゴミ箱が三つ置いてある

若武「この辺」

立ち止まったのは電柱のわき

若武「盗難防止用チェーンでここにがっちり縛りつけといたんだけどさ」

アタシはあるものを見つけた

『若武くん其処どいて』

若武くんにどいてもらった

若武「なんだよ」

『んー、ちょっとね』

アタシは電柱の表面をこすった後、アスファルトの上を撫でてみた

『盗難防止用チェーンのビニールコーティングは黄色でしょ』

若武くんがびっくりしながら言った

若武「どうしてわかった?」

『鍵のタイプってなーに?』

若武「ダイアル錠だけど」

『何連?』

若武「6」

『ふぅん...おっかしぃね』

立花さんが聞いてきた

彩「何がおかしいの?」

『6連のダイアル錠なら簡単に開けられる』

立花さんは驚いていた

彩「本当?」

『うん、マジ。
耳で音を聞きながら数字を順番に試してく。6連位なら2分あればいける』

『でも犯人は、ダイアル錠を開けてない。代わりにチェーン切ってるよ。これ、チェーンのビニールコーティングの切れ端』

差し出したアタシの指の先には黄色のビニールが粉のようについていた

黒木「すごい、良くわかったね」

『うん、知り合いが言ってた』

『この様子だと切ったってより引きちぎったんじゃね?』

若武「ダイアル錠を開けずにチェーンを引きちぎった!?」

小塚くんが言った

小塚「分かった!犯人は頭が悪くて、力のある奴なんだ」

上杉「それ、おまえじゃないの」

小塚くんはブッと膨れて横を向いた

若武くんが首をひねりながら腕を組んだ

若武「力の強い動物とか。ゴリラとか」

彩「なんでゴリラが突然秀明に現れるわけ!?」

若武「例えばの話だろ」

彩「例えが悪いわよ」

立花さんと若武くんが睨みあってる

『壊れたチェーンが何処かに落ちてるはず。捜して、それが手がかりになるよ』

アタシたちはそこら辺を探し始めた

乱歩【もう少し周りを良く見てみな!ヒントだらけだよ!この僕が教えてあげるだなんてあなたぐらいだからね!】

『(周りを.......)』

アタシは道の端から端を大股で歩いてみた

かなりぎりっぎりだけど車が通れるくらいだった

小塚「あった!」

小塚くんが泥まみれのチェーンを持っていた

若武「貸せよ」

若武くんがそれを取った

若武「酷ぇ.......」

見てみると思った通りダイアル錠はかかったままチェーン自体が途中から切れていた

上杉「小塚、これ切ってみろよ」

小塚くんは言った

小塚「もし切れても、僕は犯人じゃないぞ」

小塚くんは力一杯チェーンを引っ張った

けれど、びくともしなかった

上杉「オッケー」

上杉くんは

上杉「小塚にも切れないってことは、かなりの強さだ。犯人の力は相当だな。普通の人間じゃないかもしれない」

あ、これアタシの異能力使ったらいけるくね?
でも器用に出来るかな、粉々にしちゃいそう←

若武「やっぱりゴリラだ」

彩「サスペンス小説じゃあるまいし」

小塚「若武、僕の本返せよ。先月貸しただろ、サスペンス傑作集」

若武くんは真っ赤になって横を向いた

若武「ちょっと思い出しただけだ」

黒木「小塚、今度はホームズでも貸してやれよ。若武センセの頭が冴えるようにさ」


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