次の日、ふと人の気配がして見てみると、換気のために開け放たれていた戸のところに水柱が立ってこちらを見ていた。
水柱は丸椅子に腰掛けた。本当、よく30分間もそこにいたな…。物音一つしなかったぞ。
言われてみればそうかもしれない。まだ佑作を失った悲しみが癒えたわけではないし、彼に対する罪悪感はこの先も消えることはないだろうが、きちんと自分の中で整理ができ始めている気がする。
水柱の唐突な質問に、まさか冗談を言っているのではないかと思って顔を見るが、その顔は至って真面目だった。それどころか青い瞳に吸い込まれそうになって顔を背けてしまう。
初めて聞く話だった。胡蝶さんが俺を?あの美人で優しくてなんでも出来る胡蝶さんが…?
顔がますます赤くなって体が熱くなるのを感じる。俺はその話題から逃げるように不自然な形で話を変えた。
水柱と話していると身体中の痛みを何故か感じない。二ヶ月以上経っても身体中に包帯を巻かれ、痛みが残っている。だが、今この時間だけは痛みや苦しみを忘れることができるようだ。
それから俺と水柱はたくさんの話をした。気づけばもう夕方で、水柱の任務の時間になっていた。
驚いた。俺も同じことを願っていたからだ。でも相手は柱だし、療養中の俺のところへ来れるほど暇ではないことは分かっていた。それなのに水柱の方から言ってもらえるとは思っていなかった。
水柱はあまり自分の感情を表に出さない人だと聞いていた。だが今、俺と話したこの時間が楽しいと言ってくれた。その言葉に舞い踊りそうなほど喜んでいる自分がいた。時々感じるこの気持ちを知るには俺はまだ物事を知らなさすぎた。
|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]
更新遅くなってすみません!!とても忙しくて、なかなか小説を書く時間が取れませんでした…。
第13章です。だんだんと義勇さんと灯理くんの関係性が変わってきましたね。そして灯理くんの感じている気持ちにもだんだんと変化が…。
次回はもっと2人の関係性が変わっています。胡蝶さんも帰ってきて、灯理くんはどうなる…??
そういえばたまごぼーろ🍳、この間初めて髪染めました!写真はTwitterにあげとくね(需要ない)
⭐&♥️&💬 welcome!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。