あれは俺が13歳だった、1939年の暑い時期のことであった。
俺は弟妹たちを連れて街に野菜を売りに行った。この2年前に始まった支那事変(日中戦争)のせいで都市部では物不足が続いているらしい。俺たちの住んでいるような田舎では相変わらず食物を育てているから、俺の家では俺が学校が休みの時に街に行って野菜を売り、生計を立てていた。
裏山を越え、畦道を通り、街を目指す。野菜の入ったリヤカーを引く音がカラカラと響いていた。
この前の話というのは先日学校で先生が言っていた人間を食べてしまう化け物の話のことだ。
カラカラカラ、カラカラ。
光が言った。けれども光の目は輝いている。
弟妹たちの会話を聞きながら俺はますます笑顔になった。この子たちの兄になれて俺は本当に幸せだ。
日が西に傾く頃にはリヤカーの中の野菜は全てなくなっていた。
風太とすみれが疲れて寝てしまい、俺と流がそれぞれを抱っこしている。カラカラとリヤカーを引くのは光だ。
家まではまだだいぶある。日が落ちきる前までに家に着けるだろうか。
リヤカーに乗れることにはしゃいだのか、風太もすみれもすっかり目が覚めたようだ。
真っ赤な夕日が俺たちの影を長くしていく。
カラカラカラ、カラカラカラ。
この山を超えればもう家だ。
|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]
英田家の日常その2です!平和な日々もここまで……なんていうネタバレはこの辺までにして、ここから怒涛の展開が待っています。どうして灯理くんは鬼殺隊に入ることになるのか。その重要な原因になる事件が次のお話で起こります。
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BGM、「オートファジー」でお送りしました()
それじゃあまた次回。ばぁーい!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!