第17話

第15章「トラウマのその先へ」
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2021/03/18 16:44
その日は梅雨らしい天気の日だった。相変わらず蝶屋敷に拠点を置いていた俺は、任務がない時は屋敷の手伝いをしながら過ごしていた。


胡蝶しのぶ
英田くん、英田くん。
英田灯理(あいだとうり)
ん?どうした?
胡蝶しのぶ
今日はお米の配給日なんです。あとで行ってきてもらってもいいですか?
英田灯理(あいだとうり)
ああ。構わないよ。
胡蝶しのぶ
ありがとうございます。



度重なる戦争で国内の食料を国が管理するようになった。米の配給も数年前から始まった。しかし、配給分では到底足りそうにもない。鬼殺隊の中でも特に病人、怪我人の集まるこの蝶屋敷は食糧難に喘いでいた。毎月、田や畑を所有している藤の花の家紋の家からの食料の寄与でどうにかもっている状況だ。

俺は雨の降らないうちに早く配給を取りに行ってしまおうと思い、庭の方へまわった。庭ではすみちゃん、きよちゃん、なほちゃんが洗濯物を取り込んでいる最中だった。そこへ、どんよりと黒い雲からポツポツと雨が落ちてきて、やがて本降りになった。


すみちゃん
わわわ!雨が…!
なほちゃん
早く取り込まなきゃ!
きよちゃん
急げ急げ!
英田灯理(あいだとうり)
3人とも、俺も手伝うよ。
すみちゃん
灯理さん!



しばらくして、大量の洗濯物を全て取り込むことが出来た。

きよちゃん
ありがとうございました、灯理さん。
英田灯理(あいだとうり)
大したことないよ。いつでも呼んでくれ、また手伝うから。
なほちゃん
はい!



雨は降ってしまったが、さて配給の受け取りに屋敷を出る準備をしようと思った矢先、黒い影が俺のもとに舞い降りる。


桜子さん
トーリ!今カラ任務ヨ!準備スルノヨ〜!!
英田灯理(あいだとうり)
任務!?うわー、米の配給行けないや。
すみちゃん
私たちが行ってくるので灯理さんは任務に行ってください!
英田灯理(あいだとうり)
本当か?すみちゃん、きよちゃん、なほちゃん、ごめんな。助かるよ。
なほちゃん
いえいえ!これは本来蝶屋敷のことですから!



3人によくお礼を言い、自分の部屋へと戻る。その道中、桜子さんが任務の説明をしてくれた。


英田灯理(あいだとうり)
雨なのに…、今日。
桜子さん
鬼ハ雨ガ降ロウトモ関係ナイノヨ!ムシロ日ガ出テナクテ鬼ニトッテハ好都合ナノヨ!
英田灯理(あいだとうり)
そうだけど…。
桜子さん
ワカッタ、コレヲ聞イテモトーリハ嫌ダッテ言ウ?
英田灯理(あいだとうり)
何?そんなとっておきの情報があるの、桜子さん?
桜子さん
ソウヨ!今日ハ合同任務デ、ソノ相手ハ、ナント水柱ヨ!!
英田灯理(あいだとうり)
義勇さん!?



佑作を失い、義勇さんと仲良くなってから1年半が経とうとしていた。何度か会って話をしたり、ご飯を食べに行ったりなどはしたが、合同任務はまだしたことはなかった。というよりも、柱との合同任務というものがそもそも経験したことのないものだった。


桜子さん
キットトーリガひのとニ昇級シタカラヨ!
英田灯理(あいだとうり)
そう…かな…。
桜子さん
ソーヨ、ソーヨ!早ク準備ナサイ!



あの天津島の任務で大怪我を負った俺は、二ヶ月間昏睡状態にあり、それから半年は療養で任務に出ることが出来なかった。こうやって復帰できたのは1年くらい前からだった。この1年で階級が己から丁へと2段階上がった。柱との合同任務はその実力が認められてのことなのだろうか。




集合場所に行くと既に義勇さんは待っていた。


英田灯理(あいだとうり)
すみません、遅くなりました、義勇さん。
冨岡義勇
構わない。



雨の降る中、俺たちは任務地へと向かう。今回の任務はとある村にいる鬼を討伐するものだった。複数いる可能性もあるから気をつけろ、とのことだ。


桜子さん
着イタワ、ココヨ!鬼ノ目撃情報ハアノ村ノ奥ニアル山ノ中ヨ!



出発してから数時間後、桜子さんが任務地到着の知らせをした。山は薄暗く、なんとも不気味な雰囲気だった。

日の落ちかけている時間の山に人の気配はしない。ただ、かすかに鬼の気配はしている。鬼は間違いなくこの山にいる。山を歩き始めて数十分、道が左右に分かれた分岐点にやってきた。


英田灯理(あいだとうり)
どうします?どちらに行きましょう。
冨岡義勇
二人一緒に同じ方向へ進む必要はないだろう。俺は左へ進む。灯理は右へ行け。
英田灯理(あいだとうり)
分かりました。
冨岡義勇
何かあったら鎹鴉で。
英田灯理(あいだとうり)
はい!



分岐点を過ぎてから急に鬼の気配が強くなった。刀を抜き、握る手に力を込める。俺が1人でここにいるのはきっと義勇さんに信頼されているからだ。俺は任せてもらっているんだ。


英田灯理(あいだとうり)
久しぶりの大きな任務でビビってるってか?…はっ。ねぇな。



実際、復帰してから今日までの任務で相手した鬼は大して強くなかった。数は異常に多かったが。だから階級が2つも上がった。しかし、こんな柱が赴くような大きな任務についたのは天津島以来だ。


そこまで考えて脳裏に、鬼が佑作の体を貫いた時の光景が蘇る。


英田灯理(あいだとうり)
…。



あの一件は完全に俺のトラウマと化していた。今でも時々悪夢を見る。目の前で人が死ぬのが怖くなった。だが、俺はここで立ち止まってはいけない。もう後ろに戻ることなんて出来ないのだ。前に進むしかない。

そしてまた俺は暗い山の中を走り始めた。その時、


???
いらっしゃい、坊や。待っていたわよ。
|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]|・ω・)ノ[終]
この第15章、僕の下書きでいうところの31ページの最初のところまでなのです。もう31ページまで来てしまいましたよ…早く先にお話を進めなきゃ。まだ54ページまでしか下書き終わってないからね‪w頑張らなきゃ。

今回のお話は天津島の任務から約1年半後、1943年くらいのお話だと思っていてください。次回、次々回くらいからだんだんと雲行きが怪しくなっていきます。R-15、R-18ある時は物語の最初に注意書きをするので読みたくない人は飛ばしてください。読み飛ばしても大丈夫…だと思う!‪wなるべくそうなるように頑張るね。


たまごぼーろは先日から自動車免許を取るために教習所に通い始めました。(Twitterで言った)車乗るのめっちゃ怖いね!?ハンドル握るのめちゃ緊張するんだけど!!‪wそんなこんなで、なかなか忙しくしているたまごぼーろです。だんだん大人に近づいていってるね。僕は大人になんかなりたくないよ。


それではまた次回!

⭐&♥️&💬 welcome!

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