その日は梅雨らしい天気の日だった。相変わらず蝶屋敷に拠点を置いていた俺は、任務がない時は屋敷の手伝いをしながら過ごしていた。
度重なる戦争で国内の食料を国が管理するようになった。米の配給も数年前から始まった。しかし、配給分では到底足りそうにもない。鬼殺隊の中でも特に病人、怪我人の集まるこの蝶屋敷は食糧難に喘いでいた。毎月、田や畑を所有している藤の花の家紋の家からの食料の寄与でどうにかもっている状況だ。
俺は雨の降らないうちに早く配給を取りに行ってしまおうと思い、庭の方へまわった。庭ではすみちゃん、きよちゃん、なほちゃんが洗濯物を取り込んでいる最中だった。そこへ、どんよりと黒い雲からポツポツと雨が落ちてきて、やがて本降りになった。
しばらくして、大量の洗濯物を全て取り込むことが出来た。
雨は降ってしまったが、さて配給の受け取りに屋敷を出る準備をしようと思った矢先、黒い影が俺のもとに舞い降りる。
3人によくお礼を言い、自分の部屋へと戻る。その道中、桜子さんが任務の説明をしてくれた。
佑作を失い、義勇さんと仲良くなってから1年半が経とうとしていた。何度か会って話をしたり、ご飯を食べに行ったりなどはしたが、合同任務はまだしたことはなかった。というよりも、柱との合同任務というものがそもそも経験したことのないものだった。
あの天津島の任務で大怪我を負った俺は、二ヶ月間昏睡状態にあり、それから半年は療養で任務に出ることが出来なかった。こうやって復帰できたのは1年くらい前からだった。この1年で階級が己から丁へと2段階上がった。柱との合同任務はその実力が認められてのことなのだろうか。
集合場所に行くと既に義勇さんは待っていた。
雨の降る中、俺たちは任務地へと向かう。今回の任務はとある村にいる鬼を討伐するものだった。複数いる可能性もあるから気をつけろ、とのことだ。
出発してから数時間後、桜子さんが任務地到着の知らせをした。山は薄暗く、なんとも不気味な雰囲気だった。
日の落ちかけている時間の山に人の気配はしない。ただ、かすかに鬼の気配はしている。鬼は間違いなくこの山にいる。山を歩き始めて数十分、道が左右に分かれた分岐点にやってきた。
分岐点を過ぎてから急に鬼の気配が強くなった。刀を抜き、握る手に力を込める。俺が1人でここにいるのはきっと義勇さんに信頼されているからだ。俺は任せてもらっているんだ。
実際、復帰してから今日までの任務で相手した鬼は大して強くなかった。数は異常に多かったが。だから階級が2つも上がった。しかし、こんな柱が赴くような大きな任務についたのは天津島以来だ。
そこまで考えて脳裏に、鬼が佑作の体を貫いた時の光景が蘇る。
あの一件は完全に俺のトラウマと化していた。今でも時々悪夢を見る。目の前で人が死ぬのが怖くなった。だが、俺はここで立ち止まってはいけない。もう後ろに戻ることなんて出来ないのだ。前に進むしかない。
そしてまた俺は暗い山の中を走り始めた。その時、
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この第15章、僕の下書きでいうところの31ページの最初のところまでなのです。もう31ページまで来てしまいましたよ…早く先にお話を進めなきゃ。まだ54ページまでしか下書き終わってないからねw頑張らなきゃ。
今回のお話は天津島の任務から約1年半後、1943年くらいのお話だと思っていてください。次回、次々回くらいからだんだんと雲行きが怪しくなっていきます。R-15、R-18ある時は物語の最初に注意書きをするので読みたくない人は飛ばしてください。読み飛ばしても大丈夫…だと思う!wなるべくそうなるように頑張るね。
たまごぼーろは先日から自動車免許を取るために教習所に通い始めました。(Twitterで言った)車乗るのめっちゃ怖いね!?ハンドル握るのめちゃ緊張するんだけど!!wそんなこんなで、なかなか忙しくしているたまごぼーろです。だんだん大人に近づいていってるね。僕は大人になんかなりたくないよ。
それではまた次回!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!