第24話

カウントダウン
970
2021/06/24 08:21
あなた

そう言えば、じろ兄はどうしたの?

二郎
二郎
ん?
ああ
二郎
二郎
三郎がお前の様子見て来るって言って兄ちゃんの部屋に行ったっきり降りてこないから呼びに来たんだよ
俺一人で家事やってたから
あなた

一兄は?

二郎
二郎
兄ちゃんは買い物に行ってる
三郎
三郎
一兄が!?
三郎
三郎
なんで言わなかったんだよ!!
二郎
二郎
兄ちゃんが大丈夫だって言ってたし
三郎はあなたのところにいさせてやれって言われたんだよ!
二郎
二郎
で、兄ちゃんが買い物行ってる間に家事終わらせようと思ったんだけど……さすがに多くてな……それでお前を呼びに来たんだよ
三郎
三郎
さっきの言葉をそのまま返すよ
そうならそうと早く言えよ!
二郎
二郎
お前とあなたがなんか取り込み中だったから言いずらかったんだよ!
三郎
三郎
僕は一兄のためならどんなに忙しくても手伝うさ!
二郎
二郎
あなたが苦しんでても兄ちゃんの手伝いをするのかよ
三郎
三郎
う……
それは……
二郎
二郎
ほらな、だから兄ちゃんが気遣ってたんだよ
三郎
三郎
グヌヌ……
あなた

(一兄に教えてもらったやつ使うか……)

あなた

3

あなた

2

三郎
三郎
ッ!
二郎
二郎
ッ!
あなた

1

二郎
二郎
アハハ…
三郎
三郎
ニコニコ……
あなた

もう……喧嘩しちゃダメだよ!

三郎
三郎
ごめん……
二郎
二郎
ごめんな……
二郎
二郎
って言うか、なんであなたが兄ちゃんの拳骨カウントダウンを知ってるんだ?
三郎
三郎
バカだな………一兄が僕と二郎が喧嘩した時用にあなたに教えたんじゃないか?
あなた

まぁ、そうなんだけど
本当に効くんだね

二郎
二郎
なんか、反射的にな……
三郎
三郎
あなただと分かってても、そのカウントが来るとやめなきゃいけなくなる
あなた

アハハ
じゃあ家事やろうよ

二郎
二郎
え?いいのか?
あなた

早くやらないと一兄帰ってきちゃうよ?

三郎
三郎
やばい!
二郎、あなた早くやろう!
あなた

うん

二郎
二郎
お、おう……





―――――――――――――――――――――――――――――






あなた

終わった~

二郎
二郎
よし、兄ちゃんが帰ってくる前に終わらせてやったぜ!
三郎
三郎
これで、一兄の手間が省けた
二郎
二郎
あ!!
三郎
三郎
!!
三郎
三郎
急に大声出すなよ……
二郎
二郎
久しぶりにサッカーやろうぜ!
あなた

.*・゚(*º∀º*).゚・*.
やりたい!✨

三郎
三郎
え?
あなたも?
あなた

だって、ずっとやってなかったんだもん!

二郎
二郎
よし!
じゃあ公園行こうぜ
あなた

レッツゴー!

三郎
三郎
ちょっ……僕も行くよ!







―――――――――――――――――――――――――――――






二郎
二郎
やるからには本気で来いよ!
あなた

よし………ダッ……!

二郎
二郎
おっ……!
タ タ タ タ タ タ タ タ
あなた

じろ兄速い!

二郎
二郎
そりゃあ、サッカーやってるからな
あなた

三郎!パス!

三郎
三郎
よっ……と…
タ タ タ タ タ タ タ
三郎
三郎
シュート!!
二郎
二郎
させるかよ!
三郎
三郎
なっ!
あなた

あ~あ
もう少し右だったら入ってたのに……

二郎
二郎
へへっ
すげぇっしょ?
あなた

うん
さすがじろ兄

三郎
三郎
全国大会で優勝する実力はあるんだな
二郎
二郎
もう1回やろうぜ
今度は手加減するからよ
あなた

分かった

二郎
二郎
ほらよ
あなた
二郎
二郎
あ、やべっ!
あなた

わわっ!!

三郎
三郎
ッ!まずい……!
ボールが……!
二郎
二郎
わ、わりぃ……
あなた

ううん
取ってくるね

三郎
三郎
全く………お前が調子に乗るからボールが柵を越えて道に出たじゃないか!
二郎
二郎
仕方ねぇだろ
あなたが遠いところにいたんだからよ
三郎
三郎
少しでもお前の実力を認めた僕がどうかしてたよ
二郎
二郎
んだと!三郎!
三郎
三郎
事実を言ったまでさ
二郎
二郎
こっの……言わせておけば……
三郎
三郎
僕に口で勝てたことないだろ?
二郎
二郎
゙口で”だろ?
二郎
二郎
少なくともサッカーでは勝てるぜ?
三郎
三郎
………なぁ、二郎
二郎
二郎
なんだよ
三郎
三郎
あなた……遅くないか?
二郎
二郎
確かに……ボールを取りに行った割には遅いよな……
二郎
二郎
ちょっと行ってみるわ
二郎
二郎
ッ!!!
三郎!!
三郎
三郎
どうしたんだよ…
二郎
二郎
あなたが………居ねぇ……
三郎
三郎
はぁ!?




僕は走って柵から坂を見下ろした








そこには、あなたの姿はなく










取りに行ったはずのサッカーボールは道の端に転がっていた






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