第6話

寝る前に
1,087
2021/05/01 11:18



三郎の部屋




三郎
三郎
ほら、体操着の上からでいいからこれ着て
あなた

うん……
ありがとう三郎

三郎
三郎
うん



三郎は返事をしたらベットに入った


私は三郎の服を着てからベットの横に敷いてある布団に入った


すると三郎が話しかけてきた



三郎
三郎
あなた
あなた

何?

三郎
三郎
今日はありがとな
ゲーム、すごく楽しかった



三郎がお礼を言ってる……



いつもなら「次やる時は絶対勝つからな!」とか言って私が返事をするだけだった



なのに………今日はやけに素直だな……



あなた

私こそありがとう
久しぶりに三郎と対戦して楽しかった

三郎
三郎
うん
じゃあ、おやすみ
あなた

おやすみ






それにしても、懐かしいな



誰かと同じ部屋で寝るのは



さっきまでは三郎と寝るのは恥ずかしいとか思ってたけど



一緒に寝ると



嬉しいような、悲しいような気持ちになる



何年前だっけ………



1日お父さんとお母さんとずっと一緒に居て



3人で一緒に寝たのは………










あれ?




枕が濡れてる………




私、もしかして泣いてるのかな………?





三郎
三郎
あなた?
あなた

グスッ………さぶろ………

三郎
三郎
なんで、泣いてるの?
あなた

分からない………グスッ………考え事してたら……いつの間にか………

三郎
三郎
…………
あなた

三郎……?

三郎
三郎
ギュッ
あなた

!?………三郎………なんで抱きしめて……

三郎
三郎
いいから、早く泣きやめよ
あなた

………ごめん………止まりそうにない………

三郎
三郎
………………そう……
考え事って両親のこと?
あなた

コクッ

三郎
三郎
何考えてたんだ?
あなた

お父さんとお母さんと………ずっと一緒にいたのって…………何年前だろうって……

三郎
三郎
なるほどな




すると三郎は






私の上半身を抱いたまま布団に倒れた






あなた

三郎……?

三郎
三郎
寂しかったんだろ?
あなた

え?






なんで…………なんで分かるの………?三郎……







三郎
三郎
今はこのままでいるから早く寝ろよ
何処にも行かないから
あなた

ッ……!





私は三郎の胸に顔をうずめた








あなた

グスッ………三郎……





三郎は何も言わずに頭を優しく撫でてくれていた






そのせいなのか、私はいつの間にか眠っていた






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