公園で泣き続けた僕は頭が真っ白になってぼーっと空を見ていた
なんでこんな日に限って快晴なんだよ…
僕の心には光なんてないのに…
僕は重い足取りで来た道を戻った
もうあなたが目を覚ましているなんて知らずに
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三郎が飛び出して行った…
寂雷先生が不安にさせるような事を言ってしまったって言ってたけど……
寂雷先生…なんて言ったんだろう……
多分、私に関わることだよね…
……考えても分からないや
三郎が戻ってきたら聞けばいいし
暇だな……
寝ようにも寝れないし…
三郎のバックあさったら怒られそうだしな……
起きたはいいもののやることがないため
とりあえず、窓を開けて外を眺めることにした
三郎のことを考えれば考えるほど会いたくなる
するとドアが開く音がした
振り返ると三郎が目を大きく見開いて立ち尽くしていた
『会いたかった、不安にさせてごめんね』と言う前に三郎が私に勢いよく抱きついてきた
三郎は私を確かめるようにさらに強く抱き締めて耳元で泣き出してしまった
私は泣き叫ぶ三郎を慰め続けた
私も三郎を抱きしめて背中や頭を撫でたり、
声をかけたりすると落ち着いて来たのか少しずつ泣き止んできた
あなたは僕の我儘を受け入れてくれた
僕が好きなこの匂い、
背中と頭を優しく撫でてくれるこの手つき……
落ち着く声……全てが久しぶりだった
前まではあなたに気を張っていると思っていたけど……
案外、昔からあなたに甘えていたのかもしれない
あなたの温もりに安心したのか、昨日だけでは取れなかった1週間分の眠気が一気に襲ってきた
もう少しだけ……甘えてもいいかな…
僕はあなたの腕の中で意識を手放した
酷い隈……
何日間寝てないんだろう……
ごめんね、心配かけて…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!