一織side
連絡先を交換した、なんて口が裂けても言えない。
言っても問題はないのかも知れないけど、何故か言いたくないと思う。
諦めて七瀬さんは私の部屋からでて自分の部屋へ戻った。
ピコン
通知音がなって携帯を開くと、一瞬胸が鳴った。
そのメールはsanaさんからのものだった。
「sanaです、先程は迷惑をかけてすいませんでした。」
「その、予定が空いている日なんですけど、今週の日曜日なら大丈夫です。」
「あ、もしかして仕事がありますか?空いていなければ別の日でも大丈夫です。」
なぜか胸がなりやまない。
嬉しい、という感情が浮かび上がる。
ポンッとメールを送信する。
ただのメールなのにこんなに緊張したのは初めてだった。
彼女からの返信を待つ。
しばらくして来たときはもう嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。
「良かった。何時からでも大丈夫です。」
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「了解です。では、日曜日。楽しみにしてます。」
そのメールがきた時には、僕の頬は上がりまくってたと思う。
この初めての感情が恋だと気づくのは、もう少しあとのこと______。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。