(ハッ………!!)
……夢、か…。
心臓がバクバクいっている。汗も少しかいている。
カーテンの隙間から入り込む光はまだ
少しだけ薄暗い
いやな夢だな。最近こういう夢ばっかり見る
やっぱストレス溜まってるのかなぁ
私が勤めている会社はそこそこ良い会社で
忙しいし人間関係が原因で辞める人も結構いる
ちなみに、彼も同じ会社。
その上、私は上司に気に入られてるっぽいから
周りの視線が怖い
あー今日もあの会社に行かないといけないのか。
仕事自体は楽しくていやじゃないんだけどなぁ
そんなことを寝起きの回転しない頭で考えていると
隣でまだ気持ちよさそうに眠っている彼の寝顔が
目に入った。
『ふふっ。おはよ翔くん。』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!