第7話

#7
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2019/11/01 16:53

あなたside
あなた
今日は美咲の家に泊まるね
櫻井翔
分かった。気を付けて


『はぁ~…………』



今、私は親友の美咲の家で今日何回目か



分からないため息をついている



美「そんなにため息ついてたら幸せ逃げてくよ~」



『もう逃げてるもん~!』



今日の朝、駅前のカフェで朝食をすませ




至っていつもと変わらないように出社した。



…つもりだったのだが、彼女にはバレてしまった



ビールを飲んで少し酔っているのもあるけど





なかなか気持ちが高揚して落ち着かない


『うぅ~』




翔くんとのトーク画面はずっと開いたまま。




美「だったら送らなければよかったじゃん」



『どんな顔して帰ればいいのぉ~』


美「…でも明日には帰るんでしょ?」





「で、どうするの?別れるの?」



『どうするのって言われても……』




私は持っているビールの缶を片手で遊ぶ


美「そもそもほんとに翔さん浮気してるの?」



『……してるんじゃない??』



美「ブレスレットも置いてきて……」



「翔さん心配してると思うよ?」


『浮気したのはそっちじゃん、』


“あのねぇ~”と言いながら私の頬を両手で挟む彼女


美「まずは翔さんとしっかり話し合うこと!」


「そして自分の気持ちをよく考えること!」


『いぇも………』


頬を挟まれているから上手く発音できない



ちなみに今は“でも………”と言ったつもり


美「でもじゃない!中途半端な態度は
翔さんにも失礼だよ!」

「好きなんでしょ?ならちゃんと伝えなきゃ」


こういう時にいつもこうやって私を正しい道へ


導いてくれる自慢の親友


『……分かった。…ありがと』


美「で、このタイミングでKYなんだけど、」


『???』


美「じゃーーん!!!」


そう言う彼女の左手の薬指にはキラリと光る指輪



いつの間に…翔くんのことばっか考えてて



全然気が付かなかった


『相葉くんから?』


美「他に誰がいるっての!!」


『てことは…?』



美「なんとプロポーズされちゃいました!!」


このタイミングでかよっ!!


とツッコミたくなるところだがおめでたいこと。


『おめでとうううう~😭😭』
 
美「あぁあなたありがとおおおお😭😭」


「あなたのことも応援してるよ~😭😭」


『ありがとうううう😭😭』


その日は夜遅くまで女子トークをして盛り上がり


いつもとは違う景色に少し寂しく思いながら



静かに目を閉じた




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