第6話

#6
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2019/10/24 06:58


翔side



「はぁ……」



雅「どうした?大きなため息ついて」



都内のレストラン。昼前、約束の場所に着くと



同僚の 相葉雅紀 が声を掛けてきた

「おぉ仕事おつかれ。悪いな、急に」




雅「いいよ、全然。なんかあった?」




「実はさ…」


俺は今日の朝のことを雅紀に話した





ちなみに彼は明日から海外出張のため




午前だけの出勤らしい




ひと通り話し終えると雅紀は



雅「うーんそっかぁ…大変だね、翔ちゃん」


雅「今日午後仕事休みだから夜までどお?」


「うん、そうするわ」


「…ありがと」

そう言うと雅紀は俺の背中を軽く叩いた

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雅「んで?そのまま家を出ていっちゃったと」


「うん……」


「しかもさ、ブレスレット置いてくし」


雅「え!まじ?!ブレスレット置いてっちゃったの?!」


雅紀はブレスレットのことを知っている



いつもあなたあいつが大切にしていたことも


「さすがにヤバイよな、」


「はぁ……」



今までも些細な揉め事はいくつかあった




でもブレスレットを付けなかったのは




これが初めてだ。あんなに哀しそうにした



顔を見たのも初めてで何もかも初めてで




どうしたらいいのか全く分からない



ピコン
あなた
今日は美咲の家に泊まるね


「……ほら」


雅紀にスマホの画面を見せる

雅「うっわぁ、これは完全にヤバいね」


“美咲”っていうはあなたの親友で雅紀の彼女
櫻井翔
分かった。気を付けて
とだけ返事をし既読がついたのを確認する。




“気を付けて”って何がだろう




送った自分でも分からないから




向こうはもっと“?”だろう




「浮気。してないのになぁ……」



雅「うん、言えば分かってくれるよあなたちゃんも」



「でも朝の様子見てると簡単には……」



雅「美咲にも色々聞いとくからさ」



「うん、ありがとな」



雅「翔ちゃんがそんなに落ち込むなんて珍しい」




雅「よっぽどあなたちゃんのこと好きなんだね!」



「…バカっ。恥ずかしいだろ?」




雅「赤くなっちゃって!笑」



「でもあなたが居ない家に帰るの、寂しいなあ」




雅「また誤解が解けたらダブルデート行こ?」



「うん、そうだな」



そんな約束をしたり、





夜は場所を変えてお酒をたくさん飲んだり。




そして、彼に礼を言い、別れた後





あなたのいない家へ帰り





あなたのいない部屋で寝る準備をし




あなたのいないベッドに横になり






もう一度あなたの笑顔が見られることを願って




静かに目を閉じた

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