第8話

#8
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2019/11/22 04:11
あなたside



そして次の日の朝美味しそうな匂いに誘われて


目を覚ましリビングに行くと


朝食の準備をしている親友の姿


『…おはよぉ』


美 「あ、あなたおはよ」


「昨晩はよく眠れた?」


『おかげさまで』


美 「ならよかった。ご飯できてるからどうぞっ」



『ありがと~ いただきます!』



彼女の作る料理はすっごく美味しくて



いい奥さんになるんだろうなぁ~って、



『もう何から何までほんとごめんね』



『相葉くんにも申し訳ない……』


彼女と相葉くんはこの家で一緒に暮らしてる



今はたまたま相葉くんが出張かなんかで居ないけど



美 「そんな気にしなくていいって」


「今、出てていないしさ!」


『うん、、ほんとにありがと』


美 「じゃあ私今日早く行かなきゃだから行くね」



『…は~い いってらっしゃい』


美 「鍵ここに置いとくからよろしく!」



そういって足早に出勤する彼女を送り出して



いつもなら彼に言うはずの




“ いってらっしゃい ”


それが言えないなんて少し寂しい気がした

___________________


課長「じゃあそういう事だからよろしく頼んだよ」


『……分かりました』



私は今、こう言わざるを得ない状況だった



事の発端は30分前、今日の会議に出席する筈だった



同僚の緑川みどりかわさんが体調不良のため欠席_



今回の会議は外せないらしく、誰か代役で…



という所に私が適任だということになり今に至る


『はぁ……』


ふとため息を漏らすと隣の同僚の三木みつぎ君が声を掛けてきた


三木 「ため息ついてどうした?」



『緑川さんが欠席だから私が会議に
出ることになったの』


三木「まぁ重いけど俺も出るから頑張ろうぜ」



……ちがう。



私が会議に出たくないのはそんな理由じゃない

その会議は私の会社の各部が集まる会議


実は翔くんもこの会議に出席するのだ

それは前から決まっていて私も知っていた


前ならこの状況を喜んだかもしれないけれど


今は行きたくないのが本音だ

『…うん』


気弱な返事をして午後からの会議に備えた
___________________

『うっ………』


なんで今日に限って、、



会議室に行くと私の名前の前の席に彼の名前


まだ彼は来ていない



ここはもう振り切るしかない、仕事に集中。


会社のみんなは私たちが付き合っていることを


知らないからきっと大丈夫だろう




なんていう私の考えは浅くて


いざ会議が始まり彼が目の前にくると


彼に聞こえてしまうんじゃないかってくらい


心臓がバクバクしていた



課長「…ではここは蒼井からお話します」


急な振りに動揺しながらも必死に返事をした


『…っはいっ!』



緊張で声が震えてるのはきっと彼も見ているから。



彼の視線を感じて彼の方を向けない



一通り説明が終わり、多少の緊張感を持ちつつ



しばらくして会議は終わりを迎えた


三木「あなたお疲れ様っ!」


彼が私の肩をポンと叩く


『うん、三木くんもお疲れ様でした』


三木「急なあの振りであんなけ
言えたのまじすげぇ」


『私もほんとにビックリした、笑』
 

三木「ほんとよく頑張ったな」



そういって私の頭を撫でて “行くぞ” って


翔くんが見ていることも知らずに_

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