そして、このゲームが始まってから初めての朝をむかえた
昨日は逃げて逃げて、とにかく逃げた
敵は出会ったら倒すと言う程度でしか倒せなかった
因みに、昨日の死者は80人程度
そのうちの4分の1程は私達を殺そうとした人
小夜と玉兎が殺した
20人と言う大人数と、能力があるということで2人の息は上がり、所々怪我をして出血している
私達も息が切れている
雪はもう眠そうだ
当たり前だ、私達は1日走り続けて、寝る暇も無かった
雪はいくら前のゲームの生き残りでも、まだ小五
体力や身体の大きさが私達とは違う上に、眠気
雪はもう走るのも辛いだろう
光輝は息が少し上がっているだけで、まだまだ体力が有り余ってそうだ
少し、この場の空気が緩む
すると、いきなりドサッと音がして後ろを振り向く
雪が倒れた
小夜が雪の脈や呼吸を素早く確認してくれる
ホッとして、その場に座り込んでしまう
寝ごとで癒魅と呟く雪
雪は…守らないと
雫と癒魅を失ってしまった
せめて…せめて雪だけでも
いや、違う
小夜、玉兎、光輝…
この3人は絶対に守る
私の命を捨ててでも…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!