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第6話

年下のあの子
合格が決まってからの行動は早かった。

1時半から入学者向け説明会が行われることから、昼食を食べにファミレスに入った。

「翼咲、ほんとに良かったね」

お母さんが嬉しそうな顔をして言う。

「うん、塾のおかげだよ」

そう言って約1年通った塾のことを思い出した。

家の近くにある、小さな個人塾で、定年したおじいちゃんが1人でやっている所だった。

おじいちゃんといっても有名大学を卒業していて、物腰も柔らかくて教え方がとても上手い。
塾生が少ない事から一人一人に見合った教え方で、英語が苦手だった翼咲にも基礎的なことから教えてくれた。

「あの塾はほんとにいいよね、入ってからの翼咲の点数の上がり方にめっちゃ驚いた」

お姉ちゃんが笑いながら言った。

中学2年生の時の英語の点数、20点から卒業するまでには80点を越すようになっていた。

be動詞と一般動詞の違いがあまりよくわかっていなかったみたいで、最初からつまづいていたみたい。

「あ、そういえば。翼咲が卒業する時に入ってきたっていう男の子いたでしょ?ほら、一個下の...」

「あー、居たね。確か天汰くん?だっけ...」

「そうそう!大下天汰オオシタテンタくんだ。」

大下天汰...。そんな子確か居たなあ。
近くの中学校だっけ。英語が得意って先生が言ってたっけ。

「その子がどうしたの?」

「天汰くん、立高受けるみたいよ。」

というのは私が受かった、立統高校のこと。

でもなんでだろう、言ってしまえば立統にはそんなに優れたものは無い。

最近は、公立高校でもダンスとかスポーツで名の知れた高校が出てきたのに。

かく言う私も立統を受けたのは偏差値があっていたから。

「今度、塾に行くでしょ?その時に聞いてみなよ」

お姉ちゃんの提案に「そうだね。」と頷いてメニューを開いた。