第5話

ブルーグレーの瞳。4
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2018/09/02 08:35





森本ティーチャーの英語が終わり、ぼおっとしていた。

遠くで、電車が鉄橋。渡る音が聞こえる。

何気なく、窓の外を見た。

体育館横の小階段に、数人の男子が座っているのが見えた。

「あのひとたち」だ。

菊池くんも、いる。

メンバーは、各学年にそれぞれ五、六人。

髪を染めたり、制服を原型がわからないくらい着崩していて、トイレや非常階段で、いつもかたまっている人たち。


(仲間がいて、いいなぁ……)







昼休み、お弁当を食べ終わると、いつものように勉強道具をもって、1人で教室を出た。

ドアを閉める時に、小坂さんと目が合ったけど、すぐに視線をそらして、陸上部の子たちとおしゃべりを始めた。






階段を降りて、二組の前を通る時、何気なく教室を見たら、ブルーグレーの瞳がこっちを見ていた。


「あ、さっきの」


(げっ、菊池くん!)



私は急いで前を向いて、聞こえないふりで廊下を早歩きした。


「ちょっと、待てよ」


うしろから声が聞こえたけど、それでも無視して走って逃げた。

さっき、ちゃんと謝ったのだ。

もう文句を言われる筋合いはないはず。


「先生~!あそこの女子、廊下走ってまーす!」


振り返ると、同じクラスの中島くんが、いつの間にか菊池くんの横に立っていて、こっちを指さして叫んでいる。

ひぃ~!

私は大急ぎでつきあたりの階段を駆け上がり、西校舎の1番端にある図書室へ向かった。


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