「はーい、イチャつくのお終いお終い」
「彼女いねー俺の気持ちになれ心操!」
「そーだそーだ!」
いきなりそんなことを言い始めたみんなに、戸惑いを隠せない。
心操「何言ってんの?」
「「「え?」」」
心操「え?」
「何って・・・2人、付き合ってんじゃないの?」
あなた「え、ちょ、そんなわけないじゃん!?」
私が心操くんみたいな優しい人と、付き合ってるわけないっ!
あなた「やめてよね、私はともかく、心操くんが嫌がるでしょ?」
そもそも、私は他クラスから‘氷の女’なんて呼ばれてるくらい悪い噂が出回ってるのに・・・
そんな奴と付き合ってるなんて勘違いされるのは、誰だって嫌なはず。
いくら優しい心操くんだって、きっと・・・
心操「別に、嫌とかでは・・・ないけど」
あなた「え?」
嫌じゃないって・・・心操くん、自分が変な目で見られるの、嫌じゃないの?
心操「というか、そろそろ食堂行かなきゃまずいんじゃない?」
「うっわほんとだ混み始めてる!」
「早く行かねーとやべぇ!」
慌てて駆けて行くクラスメイトたち。
私はというと、なんだか落ち着かなくて心操くんの方を見るに見れない。
心操「・・・俺たちも、早く行かないとな」
あなた「そう、だね」
歩き始めた心操くんのあとについて行く。
私のこの気持ちに、まだ名前は付いていない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。