第21話

束の間の休息
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2023/11/23 01:00

騎馬戦が終わって、昼休憩の時間になった。




そして、我らがC組の英雄が帰って来た。





「心操ー! お疲れ様〜!」




「やったじゃん、最終戦進出!」




「マジですげぇわ」




心操「何も、そんな大袈裟に・・・」




「大袈裟じゃねーって!」




「ねぇ、あなた!」





心操くんお疲れ様&最終戦進出おめでとうの嵐の中、急に話を振られて動揺する。




・・・こんな時、なんて言えばいいんだろう?





あなた「うん、まあ、すごかったよ・・・?」




明らかに低いテンションの応答。




こんな返事じゃ、応援してないって思われ___





心操「・・・ありがと」




あなた「! ・・・うん」




私の気持ちは、ちゃんと伝わってたみたいだ。




「はーい、イチャつくのお終いお終い」




「彼女いねー俺の気持ちになれ心操!」




「そーだそーだ!」




いきなりそんなことを言い始めたみんなに、戸惑いを隠せない。




心操「何言ってんの?」




「「「え?」」」




心操「え?」





「何って・・・2人、付き合ってんじゃないの?」





あなた「え、ちょ、そんなわけないじゃん!?」





私が心操くんみたいな優しい人と、付き合ってるわけないっ!





あなた「やめてよね、私はともかく、心操くんが嫌がるでしょ?」





そもそも、私は他クラスから‘氷の女’なんて呼ばれてるくらい悪い噂が出回ってるのに・・・





そんな奴と付き合ってるなんて勘違いされるのは、誰だって嫌なはず。




いくら優しい心操くんだって、きっと・・・





心操「別に、嫌とかでは・・・ないけど」




あなた「え?」




嫌じゃないって・・・心操くん、自分が変な目で見られるの、嫌じゃないの?





心操「というか、そろそろ食堂行かなきゃまずいんじゃない?」




「うっわほんとだ混み始めてる!」




「早く行かねーとやべぇ!」




慌てて駆けて行くクラスメイトたち。





私はというと、なんだか落ち着かなくて心操くんの方を見るに見れない。





心操「・・・俺たちも、早く行かないとな」





あなた「そう、だね」





歩き始めた心操くんのあとについて行く。














私のこの気持ちに、まだ名前は付いていない。





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