ーーーーノウルsideーーーー
ハオンさんが飲み物を買いにいってくれてる時、
女子高生の会話を聞いた。
いつかの時のように、頭が痛くなって…
どんどん痛くなって…
その言葉を聞いて、頭の中の警笛はやんだ。
その瞬間、走馬灯のように、
自分が誰なのか、どうしてここにいるのか、
全てが、一気に流れ込んできた。
そして、それを吸い込まれるように、
あの時のキーツリーに確認しに行った。
オッパの気持ちを知らずに2人でかけた南京錠。
少し消えかけているが、
間違いなくオッパとかけた南京錠だった。
気付いてない振りをしよう…
そして、兄妹としてではなく、
友人としていられたら…
そんな風に思っていた。
でも、オッパは私が『あなた』だと気付いた私に気付いた。
それと、同時に私があの人を気になってる事を指摘した。
そして、2度目の別れを告げられた。
他人になっても、
オッパの気持ちに答えられない私は、
追いかけることが出来なかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!