姉が好きだ。
心から愛している。
誰とも結婚せずに生涯独身でいればいいのにと思う。
姉が男を作るたびに、僕は早く別れてくれないだろうかと願った。
そして、破局するたびに姉の見ていないところでガッツポーズをした。
姉は僕の気持ちに気づいているだろうか。
いや、気づいていないだろう。
姉は昔から相当に鈍感だった。
世界が滅亡して、僕たち以外みんな死ねばいいのに。
そしたら、姉は僕だけのものになるのにーー。
自分の欲を激しく押しつけていく。
姉の中は狭くて熱くて溶けそうだった。
僕は姉の腰をつかみピストンする。
脳がしびれるような感覚にクラクラした。
「姉貴、ごめん。ごめんよ」
でも、すごく気持ちいいんだ。
押し寄せる射精感に身をまかせ、僕は絶直に達した。
精液が姉の中に吐き出されていく。
射精にともなう快感と独占欲が満たされたことによる幸福感は計り知れなかった。
僕は自分のものを引き抜くと、膣から溢れでる精液をていねいに拭いた。
それから、姉さんに服を着せると布団をかけてから、僕も横になり瞼を落とした。
翌朝、眠りから目覚めた姉に僕は笑いかける。
「春樹。おはよう。昨日はよく眠れた?」
「おはよう。よく眠れたよ」
僕の愛しい人。
姉はまだ知らない。
僕が孕ませようとしていることを。
end...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!