第24話

賑やかな食卓
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2020/08/10 11:30
あなたside

澤村(母)「はい、あなたちゃん!いっぱい食べてね!」



澤村(父)「本当に大きくなったなぁ…」



澤村「父さん何泣いてんだよ!」



なんで私は大地くんの家族に囲まれてるんだろうか…



それは、ほんの30分前のことだった。



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プルルルルプルルルル




大地くんと2人で帰っていると電話がなった。



澤村「あ、母さんだ。あなた悪い、ちょっと待ってて」



「分かった。」



大地くんのお母さんか、



お父さんが海外出張に行ってから



よくご飯とか招待してもらってたなぁ。



澤村「あなた、」



「ん?電話終わった?」



澤村「今日、うちに飯食いに来るか?」



…今日も招待してくれたみたいです。



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とまぁ、こんな感じなんですね。



澤村(母)「今日はあなたちゃんの好きな手巻き寿司よ!」



目の前には、



マグロにサーモン、いくらなど、



私の大好物が並んでいる。



「ほんとにいいんですか??」



澤村(父)「遠慮しないでいいからたくさん食べてね。」



じゃあ、遠慮なく…



「いただきまーす!」



早速私はサーモンといくらを巻いて食べた。



「…おいしい。」



自然と頬が緩むほど美味しかった。



家では基本1人だからお寿司とかあまり食べないし、



手巻き寿司なんてほんとに久しぶりだ。



どんどん食べ進めていった。



澤村「相変わらずあなたはよく食べるよな。」



そう言って隣で笑う大地くん。



澤村(母)「たくさん食べてくれるから嬉しいわ!」



澤村(父)「あなたちゃんがいると食卓が明るくなるな。」



優しい笑顔で見てくれるお母さんとお父さん。



こうして見ると、大地くんは2人の子供なんだと実感する。



笑顔がすごく似ているんだよなぁ。



私が大好きな笑顔。



そんなことを考えながら次のお寿司を口に運んだ。



「ん〜、美味しすぎる…」



こんなに賑やかな夜ご飯は久しぶりだ。



澤村「あぁ、あなた!」



「ん?」



澤村「醤油たれてる!」



「ングッ」



口を拭われた。



澤村「もっと落ち着いて食べなさい。」



「はーい」



澤村(母)「…あなたちゃん、大地と結婚してくれればいいのに。」



「ん!?ゲホッゴホッ」



突然何を言い出すんだ…



澤村「母さん!何言ってんだよ!
あぁ、もう。あなた?大丈夫か?」



「ゲホッゴホッ、だ、大丈夫…」



澤村(父)「あなたちゃんなら大歓迎だな。」



お、お父さんまで…



澤村「ほんと気にしなくていいからな?」



「わ、分かってるよ。」



いきなり変なこと言うからびっくりした…



そ、そりゃ大地くんと結婚とかできたらいいけどさ、



大地くんは私のこと好きな訳でもないし…



こんなことを考えてると、



いつの間にかお腹いっぱいになった。


澤村side

母さんが変なこと言うからあなたが困ったように笑ってる。



そうだよな、



あなたには好きな人がいるっぽいし、



そう思うと急に胸が締め付けられた。



でも、この感情が何なのか、



俺は知らなかった。



あなたも食べ終わったみたいで、帰ろうとしてる。



家は隣だけど、一応送ってくか、



あなた「ほんとに美味しかったです!
こんなに楽しい夜ご飯久しぶりでした!
ありがとうございました!」



「あなた、着いてくぞ…」



澤村(母)「え、帰っちゃうの?
泊まっていくかと思ってお風呂も用意しちゃったわよ!」




ん?泊まり?



俺、聞いてないんだけど…



まぁでも、あなたは帰ってからも1人だもんな、



毎日1人は寂しいだろうし、



「あなた、泊まってくか?」



あなた「え、え!?そもそも大地くん明日も部活でしょ?」



「明日は休みだぞ。」



澤村(母)「ちょうどいいじゃない!決まりね!
明日はうちでゆっくりしてなさい!」


あなたside

夜ご飯を食べ終わって帰ろうとしたら、



お泊まりを提案された。



大地くんは反対すると思ったのに…



でも、大地くんとまだ一緒にいられるのは



純粋に嬉しいし、



久しぶりにお泊まり楽しもうかな。






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