第27話

遭遇
1,313
2020/08/13 15:30
「夜にお出かけなんてわくわくするね!」



澤村「お出かけって、すぐ近くのコンビニ行くだけだぞ。」



それでも大地くんの隣を歩いてるだけで楽しいんだ。



明日はお休みだし、夜更かしとかしてみたいな



部屋を暗くして映画観たり、



夜中にラーメン食べたり!



1人じゃできないことをしたい。



「ねー」



澤村「ん?」



「今日、夜更かししたい!」



絶対ダメって言うんだろうけど…



大地くんは少し考え込んで、



澤村「いいな!それ!明日は部活もないし、俺の部屋で映画でも見るか?」



「え、いいの!?」



予想外の答えだ。



澤村「なんだよ、あなたが言ったんだろー?」



「だ、だって、大地くんのことだから、
"夜更かしなんて体に悪いだろ。だめだ。"
って言うと思った!」



ちょっと大地くんの真似をしてみた。



澤村「…それ、俺の真似か?」



…あんまりだったみたい。



澤村「まぁ、たまにはいいだろ!
せっかく久しぶりに泊まってくんだから、な?」



そう言って私の頭を撫でる大地くんはいつも通りに見えたけど、



少しだけ、



楽しそうに見えた。



やっぱり大地くんも高校生なんだな。



「映画観る時は部屋暗くしてね!」



澤村「はいはい。」



「お菓子も買って!!」



澤村「はいは…って俺が!?」



「お財布持ってきてないもーん。」



『俺のお小遣い…』って言いながらお財布の中身を確認してる。



…いっぱい買ってもらお!

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コンビニに着いた。



お菓子は一通りカゴに入れたけど、



「んー…」



澤村「あなた決まったかー?」



「まだ!」



どのアイスにしようか迷っている。



種類多すぎて選べないよ、



澤村「どれで悩んでるの?」



「チョコでコーティングされてるやつと、チョコミントと、お餅が入ってるのと、みかんが入ってるやつ…」



なんとかここまで絞ったけど、決まらない!



澤村「俺がチョコ系買うから、餅かみかんのどっちかにしなさい。」



大地くん…好き!



「んー、じゃあ餅のにする!」



やっと決まったって時に、



『じゃー俺はみかんのアイスにするべ!』



後ろから聞き慣れた声がした。



振り返ると…



「スガさん!?」



澤村「スガ!?お前、何してんだよ、」



にこ!っと効果音がつきそうな笑顔で立ってるスガさんがいた。



菅原「いやー、眠れなくて散歩してたら大地たち見つけちゃった!」



見つけちゃったって…



菅原「ていうか、大地たちこそなんで一緒なんだ??」



「今日はお泊まりなんです!」



澤村「うぁ!バカ!」



私がそう言うと、



大地くんは呆れてて、



スガさんはにやにやしていた。



菅原「なぁ、そのお泊まり俺も入ーれて!」



「え…?」



大地くんの方を見ると、



ほら見ろ。と言わんばかりの顔をしていた。

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菅原side

澤村「今日はもう遅いし、いきなりすぎるだろ?スガはまた今度な?」



大地のことだ、絶対にそう言うと思った。



でもさ?



大地だけあなたとお泊まりなんてずるくない?



どうしても大地とあなたの二人きりを防ぎたかった俺は、



大地の耳元で、



もし入れてくれないなら、明日の朝バレー部のみんなで大地の家行く。



こう言った。



どっちにしろ邪魔されるなら俺だけの方がいいだろ?



澤村「…分かった、親にはちゃんと連絡しておけよ?」



「分かってるってー!」



っというわけで、



「あなた?今夜は楽しい夜になりそうだね…」



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あなたside

結局スガさんも一緒にお泊まりすることになった。



澤村「スガ飲み物は?」



菅原「何がある?」



澤村「お茶、紅茶、サイダー、りんご」



菅原「サイダー!あなたはどうすんの?」



「あ、私は、」



澤村「あなたはりんごだろ?」



「う、うん!」



大地くん、私が炭酸飲めないの覚えててくれたんだ、



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ジュースとお菓子、アイスはテーブルの上。



部屋は暗くして、



テレビの電源を入れる。



澤村「どんな映画にする?」



ほんとに映画館みたいだ…



「あ、あれがいい!最近話題の俳優が出てた、」



菅原「これか?」



「そう!」



主演の俳優さんの顔が結構タイプなんだよね。



澤村「じゃ、スタートするな。」



夜更かしの1つ、映画鑑賞の始まりだ!





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