第8話

忘れ物
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2020/08/01 08:00
あ"ー!疲れた!



やっと昼休みだよ…



お腹空いた。



夏海「じゃあ、私はバスケ部のとこ行ってくるね!」



「はーい。」



…そろそろ来るかな?



(ガラガラ!!)



『あなた!弁当食おうぜー!!』



相変わらず声が大きい、



「西谷…、そんな大きい声出さなくても聞こえてるよ。」



西谷「おう!悪いな!」



縁下「今日は屋上でも行く?」



成田「そうだな。天気もいいし、そうするか。」



縁下「あなたもいい?」



「うん!」



お昼ご飯は毎日バレー部のみんなと食べる。



マネージャーでもないのにこんなに仲良くなれてほんと嬉しいと思ってるけど、



1部(主に西谷)が調子に乗るだろうから言わないでおく。



「龍と木下も呼びに行かないとね。」



成田「じゃあ、1組と2組の方行くかー。」



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みんなで廊下を歩いていると、



向こう側から龍と木下が来た。



西谷「遅いぞ!」



「あ、今ちょうど迎えに行こうと思ってたとこだよ〜。」



田中「悪い悪い!武ちゃんがちょっと延長しちまってよ!」


武ちゃんは武田先生のこと。



バレー部の顧問で現代文を教えてる。



木下「俺は田中待ってた。」



よし、これで全員揃ったね。



「じゃあ屋上行こ〜!」


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(屋上)

屋上へ繋がる扉を開けると、



既に何人かの生徒がお弁当を広げていた。



その中には、



『お!あなた達もここで食べるのか?』



田中「スガさん!大地さんも!」



大地くんとスガさんと、クラスの友達かな?



5.6人が円になっていた。



澤村「あなた!一緒に食うか!」



「え、他の先輩方に申し訳ないからいいよ。
みんなと食べるし。」



『あ、俺らのことは気にしなくていいぞ!』



と、先輩方がそう言ってくれた。



澤村「涼介たちもこう言ってることだし!」



菅原「俺らも混ぜろ!」



結局2・3年生のバレー部全員で食べることになった。


涼介さん達に軽くお辞儀をして、お腹も空いてるしお弁当を食べようと思ったら…



「あ"、」



成田「あなた?どうかした?」



「お弁当教室に忘れた…」



……。



菅原「ちょ、あなた…、ま、まじで言ってる?」(ククッ)



西谷「何してんだよ!!」(ブァッハ!!)



田中「あなた、お前は2年になっても変わらないなぁ!」(アッハハ!!)



すごい…もう信じられないくらいに笑われた。



「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃん!
取りに行ってくる!」



澤村「あなた!俺も着いてくから!」



え?いやいや、



「お弁当取りに行くだけだよ?」



澤村「分かってるぞ?」



そんな、何言ってるの?みたいな顔で見ないでよ…



「さすがに1人で大丈夫だよ?」



澤村「あなたのことだから慌てて階段から落ちることもあるだろ?」



…ないよ?



「私のこと何歳だと思ってるの?」



澤村「まぁとにかく!一緒に行くぞ!」



何を言っても着いてきそうだったからもう諦めた。


「じゃあ行ってくるね。」



縁下「気をつけろよ〜」



…だから何に?

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菅原side

涼介「なんだ?あいつら付き合ってんのか?」



まぁ、大地の過保護っぷりを見たら最初は誰でもそう思うよな笑



「付き合ってないべ!あれは大地が過保護すぎるんだよ。」



涼介「過保護にも程があるだろ…」



だよなぁ。俺もそう思う。



優太「あんな近くであなたちゃん見たの初めてだわ…。やっぱり可愛いのな!」



だろだろ!



まぁ俺らのあなただからな!



和樹「俺、初めてお前らと友達で良かったと思った。」



お前何気に失礼なこと言ってること気づいてるか?



「まぁあなたが可愛いのは知ってるけど、とりあえず和樹!お前はふざけんな!」



和樹「おわ!冗談だよ冗談!!」



ほんとかよ…



顔がまじだったぞ?



「まぁあなたとお昼ご飯が食べれることで俺は機嫌がいいからな!特別に許してやる!」



そう言って笑ってたら、涼介が変なことを言ってきた。



涼介「じゃあ、あの子彼氏いないの?」



「まぁ、いないぞ?」



涼介「へー…」



嫌な予感がする。



「なぁ?分かってると思うけど、あなたに手出したら許さねぇからな?」



優太「ちょ!スガ!?顔怖いって!」



涼介「分かってるって!単純に気になっただけだ!」



あなたのことになると、余裕なくなるんだよな。



「ならいいけどよ…」



(ガチャ)



和樹「あ、帰ってきたぞ?」



お、ほんとだ!



「じゃあ俺らは今日バレー部と食べるな!」



3人『おーう。』



あなたと一緒にご飯食べるの久しぶりだー!


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涼介「なぁ、スガの顔めっちゃ怖かったな…」


優太「涼介が変な事言うから!」


涼介「いやだって、ふつーに気になるだろ!?」


和樹「気になるけどあれは涼介が悪いよな。」


涼介「なんで!?」


優太「だって明らかに狙ってる感じだったじゃん?」


涼介「そんなこと!ないとは言いきれねぇけど…


和樹「まぁ、あの2人がいる限りは無理だ!
諦めろ!」


涼介「分かってるよ!」


優太「でもよ、大地もスガも、あなたちゃんのこと好きになったりしないんかな?」


和樹「んー、もう既に好きだったりして!」


涼介「(あれは確実に好きだろ…。こいつらバカなのか?)とりあえず飯食おうぜ?」


2人『そうだな!』





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