(体育館)
…人多いなぁ。
去年の終業式の時こんなにいたっけ?
「ねぇ、人多くない?」
成田「そりゃ、今日の午前中は入学式があったからなー。」
あぁ、そういうこと。
『あなたー!!』
え、なに?
(ギュー!)
「うぐっ…
ちょ、どうしたの?西谷」
西谷「久しぶりだな!相変わらずあなたは可愛いな!」
「…ありがとう。」
西谷とも、体育館に行くうちに仲良くなった。
西谷「今年こそあなたと同じクラスだと思ってたのに…!」
いや、まず進学クラスだから…
(ワシャワシャ)
西谷と話してたら誰かに頭をよしよし?された。
「うわ、なに?
あ、龍じゃん。おはよ。」
田中「おう!なんかザワついてんなって思ったらやっぱりあなただったか!」
やっぱりって何?
「いや、どちらかと言うとうるさいのは西谷だからね?」
『待って、あの人めっちゃ可愛い。先輩かな?』
『相変わらずあなたちゃん可愛すぎだろ。』
田中「いや、まぁそうだな。おう。(俺が言ってるのはそーいう意味じゃないんだけどな。)」
やっぱりバレー部の人たちといると目立つな…
みんな身長高いからかな?
すごい見られてる…
『お前ら目立ちすぎだろー』
「あ、木下!」
木下「よ!」
「みんなが身長高いからすごい見られるんだよね…」
木下「ん?いやそれはあなたが中心にいるからだろ?」
…え?
「何言ってるの、そんな訳ないでしょ。」
木下「…相変わらずだな。」
田中「だな。」
西谷「んぁ?何の話だ!」
成田「西谷はもう会話に入ってこない方がいいよ。」
…ほんとに何の話なんだろう。
『あなたー!!!!』
あ、なんかすごく嫌な予感がする。
(ドンッ)
夏海「なんでおいてくの!縁下と2人とか最悪だったんだけど!?」
縁下「それはこっちのセリフだ。」
忘れてた。
「ごめんね?仲良く2人で話してたから…」
縁下・夏海「「仲良くない!」」
…だから息ぴったりなんだってば。
夏海「また、バレー部と一緒にいる…。」
教頭「あーあー。ゴホン
クラスごとに整列しなさい。」
あ、やば。
「夏海、力、成田、行こ?」
西谷「お前らまた同じクラスなのか!?」
縁下「まぁね。」
西谷「羨ましいぜ、!」
教頭「早く整列しなさい。」
絶対私たちのこと言ってるよね…
成田「ほら、お前ら早く行くぞ。」
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教頭「第1学期、始業式を始めます。」
校長「1年生の皆さん。
ご入学おめでとうございます。
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ーーーー」
あー、話長いなぁ。
…眠。
教頭「ーーーー
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ーーーー
以上で始業式を終わります。」
『あなた、あなた!』
「…んぁ?」
夏海「もう終わったよ!」
気づいたら寝てた…
「夏海ありがと。」
夏海「どういたしまして!
ほら、教室戻ろ!」
「うん。」
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(教室)
田中先生「えー、今年も4組の担任になりました。田中です。とりあえず今日は委員会決めるぞー。」
委員会か、何にしよう?
夏海「ねぇあなた、一緒のにしよ!」
縁下「あなたは俺と一緒だもんな?」
いや、知らないけど。
夏海「何言ってんの!?」
田中先生「佐々木うるさーい。
あ、佐々木は体育委員で決定な。」
夏海「え!?ちょ、先生!それはありえない!私はあなたと一緒の委員会にするの!」
田中先生「残念もう決定でーす。」
そういえば体育委員って田中先生だったよね?
それと田中先生はバスケ部の顧問だし、なんだかんだ夏海は逆らえないんだな。
「んー、私は保健委員にしようかな。」
縁下「はい。俺とあなた保健委員で。」
鈴木「おっけい!!」
「え、ちょっと?」
1番最初に決まったクラス委員の鈴木くんがスラスラと保健委員のところに私たちの名前を書く。
縁下「俺と一緒は嫌だった?」
「い、嫌ではないけど、力は保健委員で良かったの?」
縁下「あなたと一緒ならなんでもいいから。」
そっか。ならいいや。
その後もどんどん委員会が決まっていって、LHRの時間が終わった。
これから部活か、
「夏海、今日も部活だよね?頑張ってね。」
夏海「ありがとー!あなたも気をつけて帰るんだよ?まぁ幼なじみの人が一緒だから大丈夫だろうけど!」
夏海は私が大地くんが好きなことを知ってる。
よく相談とかにも乗ってもらっててすごく助かってる。
「うん。じゃあ、また月曜日ね!」
夏海「ばいばーい!」
よし、体育館行こ。
縁下「あなたは今日部活来るの?」
「うん。1年生もまだいないみたいだし、潔子さんのお手伝いしようと思って!」
縁下「そっか。なら一緒に行こ?」
「うん!
成田も行こー!」
成田「おーう」
バレー部、久しぶりだな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。