第16話

好きな雰囲気
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2020/08/01 15:00
(屋上)


西谷「あ、おーい!!」



田中「こっちだぞ!」



西谷と龍と木下がいるところに行ってみんなで円になって座った。



「西谷!体操服ありがとう!」



西谷「おう!大丈夫だったか?」



「うん!」



西谷に体操服は返したし、



あとはお弁当を開くだけ…




「じゃーん!!!」



男子高校生7人分ともなるとすごい量でほんとに大変だった…



みんな『うぉー!!!』



西谷「すげぇ!!めっちゃ美味そう!」



ふふふ…



田中「お前、まじですげぇな…」



木下「ちゃんと俺のアスパラのベーコン巻きもある!」



成田「俺のエビフライも!」



まぁ頑張りましたからね!



菅原「デザートまで!あなたすごいな!」



デザートは単に私が好きなだけです。



縁下「…昨日ちゃんと寝れてる?」



澤村「朝早かっただろ?体調悪くないか?」



…いや親ですか?



「大丈夫だよ。
ほら!頑張ったんだから早く食べて!」



みんな『いただきまーす!』



(パクッ)



どうかな?



(シーン)



え、失敗してた?



「おいしくないかな?」



西谷「いや!美味い!美味すぎるぞ!
俺の母ちゃんの卵焼きよりうまい!」



それはお母さんに謝って?



田中「最っ高だぜ…女子の手料理…



いや、泣かないでよ…



木下「あなたってほんと料理上手いのな!」



成田「ほんとにおいしい。」



あ、まともな人きた。



縁下「俺のお嫁さんになる?」



んー、頭でも打ったかな?



菅原「ばか!縁下!」



そうだよね、バカだよね



菅原「俺の嫁だ!」



…あなたもですか。



「いや、誰の嫁にもならないです。」



澤村「そうだぞ。お前らにあなたはあげれないからな〜」



…みんな全然違うこと言ってるけど、



喜んでくれたみたいで良かった!



「また作るね!」



みんな『ほんとか!?』



…気が向いたらにします。

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(放課後)

これからバイトか…



緊張するな。



とりあえず、神崎さんを待たせてるかもしれないから急がないと…



(校門前)


(キャー!!)



ちょっと、誰あのイケメン!



彼女でも待ってるのかな?



大学生!?



なんか、騒がしい?



『あ、こっちこっち!』



騒ぎの中心にいたのは神崎さんだった。



「すみません。お待たせしました。」



神崎「いいよいいよ。さ、乗って。」



そう言って車の助手席のドアを開けてくれた。



女の子の扱い慣れてそうだな…



「ありがとうございます。」



え、あなたちゃんの彼氏!?



やっぱりあなたちゃんは違うな…



神崎「よし、じゃあ行こうか!
名前聞いてなかったよね?教えてもらえる?」



「あ、加藤です。」



神崎「…下の名前いいかな?」



「あなたです。」



神崎「あなたちゃんね!可愛い名前!」



うん、絶対慣れてる。

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(カフェ)

神崎さんのカフェは、烏野から車を5分程走らせたところにあった。



意外と近いんだな…



神崎「ほんとに最近オープンしたばっかでさ、人手が足りなくて困ってたんだ!」



洋風なカフェで、外装も内装もとてもこだわっているようだった。



テラスもあって、個人的にすごく好きな雰囲気。



「すごいですね。私、ここのカフェの雰囲気好きです。」



神崎「ほんと!?そう言ってもらえるなんて嬉しいなぁ!」



…相変わらず笑うと幼く見えるなぁ、



神崎「じゃあ、仕事内容説明するね!」



そう言って教えられたのは、



オーダーの取り方とレジの使い方くらいだった。



神崎「あとは仕事しながら覚えてくれればいいから!」



オープンしたばっかで客の入りも多いわけではないらしく、



基本的に働きながら教えてくれるみたいで安心した。



神崎「制服はこれね!」



渡されたのは、



茶色系の色を主としたもので可愛かった。



スカート丈が学校の制服より短いのは少し気になったけど、着てみたら案外気にならなかった。



神崎「オープンは16時からだから!」



そう言われて時計を見ると、



16時の5分前だった。



少し時間があったので、レジ横にならんでいるたくさんのケーキを見つめていた。



ショートケーキにモンブラン、ガトーショコラにチーズケーキ、フルーツタルトまで…



どれもすごい美味しそう。



ケーキ大好きな私にとって天国みたいだった。



神崎「オープンするねー!」



「はーい!」



初めてのバイトだけど、楽しく始められそうだ。

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