第28話

恋愛に対する考え方
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2020/08/15 17:06
あなたside

映画の内容を簡単に説明すると、



両片想いの高校生男女の不器用な恋愛系で、



やっと想いが通じ合ったタイミングで、女の子が遠くに引っ越すことになって、



男の子のためを思って別れを告げるっていう、



まぁ、よくある設定だ。



恋愛映画とか全然観ないし新鮮だな。








でも、大地くんとスガさんの間に座って観る映画ではないってことは分かる。

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澤村「あなた、アイス1口いるか?」



「いるー」



あー、と口を開けると、



口いっぱいにチョコレートの風味が広がって幸せだった。



「んー、おいし!」



菅原「みかんは?」



「いいんですか!」



『おう!』と言ってスプーンを前に出してくれたから、



遠慮なく食べさせてもらった。

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「それにしても、朱里ちゃんすごい可愛いですね。」



主人公の女の子を演じている女優さんのことだ。



ちなみに、主人公の男の子を演じている俳優さんは裕翔くんっていう名前。



2人とも顔が整いすぎてる。



なのに、



菅原「あなたの方が可愛い!」



澤村「俺もあなたの方がいいと思うぞ。」



とか!



「…すらっとしていて身長高くて、モデル体型なの羨ましいなぁ。」



澤村「俺はもうちょっとしっかりしてる体型の方が好きだな。」



菅原「あなたくらいが1番ちょうどいい!」



とか!



隣の2人がありえないことを言ってきます。



体型の好みは人それぞれでいいと思うけど、



顔はどう見ても朱里ちゃんのが可愛いに決まってる。



「私行きつけの眼科教えてあげるね。」



とだけ言ってその場は終わらせておいた。



「裕翔くんはいつ見てもかっこいい!」



顔は小さくて、その割に目は大きい。



高校生の制服がすごく似合ってる。



菅原「俺の方がかっこいいだろ?」



…系統が全然違います。



「スガさんは癒し系じゃないですか。
裕翔くんはイケメン系です。」



菅原「…癒し系、?」



隣で癒し系について考えてるスガさんの横顔を見ると、



悔しいけどかっこいいと思ってしまった。



澤村「あなたはこういうタイプが好きなのか?」


大地くんがこんなこと聞いてくるなんて珍しい。



「うーん、好きっていうか、顔はかっこいい!」



澤村「絶対浮気しそうな顔だな。」



絶対しそうって、どういうこと…



「それは偏見でしょ??一途かもしれないじゃん!」



「まぁでも、こんなにかっこよかったらちょっと浮気されても許しちゃうかも」と冗談で言うと、



澤村「絶対ダメだぞ!?浮気する男は最低だからな!」



すごい力説された。

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映画が終わって感想を言い合うことになった。



澤村「高校生らしい恋愛だったな。
最終的には別れなかったけど、遠距離だからって別れる必要はなくないか?」



そう。



女の子は別れるために、『嫌いになった』と嘘をついたんだ。



でも、男の子は嘘だって分かって、『俺は離れてもお前を好きな気持ちは変わらない。』って伝えて、



結局別れなかった。



「えーでも、会いたい時に会えないって辛くない?」



菅原「分かる!俺も遠距離は無理だな!」



スガさんは何となくわかる気がする。



澤村「そんなの、会いに行けばいい話だろ?」



「そんな簡単には会えないじゃん!」



菅原「そうだぞー。俺は常に会いたいからな!
なんなら一緒に住みたい!」



「好きな人と同じ家とか幸せですよね…」



澤村「まぁ、一緒にいられるのが1番いいよな。」



「久しぶりにキュンキュンした。」



菅原「どのシーンで??」



恋愛映画だから、どのシーンもキュンキュンしたんだけど、



強いて言うなら、



「あそこかな、女の子が『嫌いになったから別れて欲しい』って伝えて教室を出ていって、泣いちゃったタイミングで、男の子に腕を引かれて、涙を拭われた後に『俺のこと好きなくせに。』って言われて抱きしめられたとこ!」




心の中で叫んだよね。



菅原「へーあそこね。」



澤村「あなたはあーいうのが好きなのか…」



「え、いや、好きっていうかキュンキュンしたシーンだからね?」



とにかく、今日学んだことは、



この2人とは恋愛映画は観ちゃいけないってことかな。



それなりにキスシーンもあって気まずいし、



なにより隣に大地くんがいると余計に意識しちゃって集中できない!



菅原「もう1時か。」



「私こんな時間まで起きてたの初めて!」



でも、2人との夜更かしは楽しいな。



澤村「眠いか?」



菅原・あなた「「全然!!」」



あ、私もう1つやりたいことあったんだ。



「ねぇねぇ、」



2人と目を合わせてから笑顔で言った。



「夜食にラーメン食べたい!!」










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