無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

2,239
2021/03/15

第14話

Stage3-3
その後しばらく経ってからの、ある週末のことだった。
白雪 風真
白雪 風真
──はい、本当にすみません。おつかれさまでした
風真はすっかり暗くなったドルチェ部屋のなかで、電話越しにマネージャーに頭をさげていた。
通話が終わると、今度は母親に電話をかける。
白雪 風真
白雪 風真
……あ、母さん。あのさ、ちょっとレッスンのあと休憩してたら寝落ちしちゃって……うん。ごめん心配かけた。うん、こっちはぜんぜん大丈夫なんだけど、さっきマネージャーに連絡したら、この時間に帰るのは逆によくないからドルチェ部屋に泊まっていくようにって。あしたもどうせ朝からレッスンあるし。……うん、今度から気をつけるよ。ホント心配かけてごめん
状況をつたえて、通話を終える。
はぁ、とため息をついて、ひとまず電気をつけた。
部屋の時計は夜の九時半をしめしている。
夜のダンスレッスンを終えたのは七時だったはずだが、個人レッスンだったのがよくなかった。
荷物をとりにドルチェ部屋に寄り、ちょっと休憩のつもりでソファに腰かけて、そこからすっかり爆睡してしまっていた。
白雪 風真
白雪 風真
(つかれてたからなぁ……)
まだ活動といえば、ほとんどが商業施設でのステージやレコード店での小規模な握手会、おなじ事務所のアーティストの前座に歌わせてもらうくらいなのだが、それでも一歩一歩たしかに仕事は増えてきていた。
ステージが増えると、課題も増えてくる。
ダンスのミスであったり、歌声の伸びであったりが気になって、個人的に受けさせてもらうレッスンも多くなった。
くわえて、高校生としての学業だ。
最近めっきり気温が高くなったこともあって、すっかりつかれがたまっていた。
白雪 風真
白雪 風真
(つかれると肌も荒れてくるらしいし、今日はせっかくだからさっさと寝るかな)
ふぁあ~と大きなあくびをすると、盛大にお腹が鳴った。
白雪 風真
白雪 風真
お、そうだ冷蔵庫にこないだ買っといたチルドのパスタが……って、無ぇっ! あれ、俺の買い置きカップ麺も無くなってる!?
空になった箱の底に、紙切れが落ちている。
そこには『食っといた。ごちさんきゅー』という汚い文字が書かれていた。
白雪 風真
白雪 風真
ぜってーギリシャだな……
風真は「あいつ、今度絶対メシおごらせる!」と心に誓って、とりあえず今は近くのコンビニにでかけることにした。
外に出ると、昼には真夏のようだった気温もすっかりさがっていた。
かわりにじっとりとした湿度のある、肌にまとわりつくような風が吹いている。
いやな季節だな、と思いながらエレベーターを降りたところで、おや、と思った。
一階にあるダンススタジオに、まだ明かりがついている。
白雪 風真
白雪 風真
(先生、電気消し忘れた?)
この時間はさすがに営業時間外のはずだ。
ふしぎに思いながら、中に入ってみる。入り口のドアの鍵は開いていた。
白雪 風真
白雪 風真
おーい、せんせ……?
おそるおそるスタジオをのぞきこんで、風真は息をのんだ。