無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

3,058
2021/03/04

第11話

Stage2-3
王子 宇瑠
王子 宇瑠
そういえば、きのうのアイドル専門チャンネル見たよ。今週もすっごくよかった!
有栖川 唯
有栖川 唯
あぁ、うちの新曲披露があった……
王子 宇瑠
王子 宇瑠
うん。さくら道の新曲、五月の今にぴったりで爽やかな曲だよね。唯ちゃんのダンスもクールでかっこよかったよ。それと後半はほら、春にデビューしたばっかりのドルチェのみんなも出てたでしょ!
有栖川 唯
有栖川 唯
ドルチェ……あれね
唯は収録を思い出して、顔をしかめた。
ドルチェはやたら個性的なメンバーを集めたグループだった。
なかでも思い出すのは、ピンクの髪をした男の娘だ。たしか、白雪風真という名前だった。
はきはきとした受け答えをしていて、華があって──そして、最高に気にくわなかった。
以前、宇瑠がファンだと言っていたから口には出さないけれど。
有栖川 唯
有栖川 唯
(だいたいなんであいつ、女装してるの? アイドルなめてるの?)
アイドルでピンク担当といえば、だいたいが花形だ。正直、風真にはそれを担うだけの素質がないわけではなかったと思う。
それなのに、ああいう奇抜なかっこで注目を集めようとしている。
それが、気にくわない。
実力で勝負をしようとせずに、努力をしようとせずに、楽な方法で注目を集めて人気を得ようとしているのだ。
有栖川 唯
有栖川 唯
(あんなやつ、すぐに消えてしまえばいい)
ううん。そんなこと願わなくても、すぐにそうなるだろう。
今はアイドル戦国時代。
数多くのアイドルが日々デビューを飾り、夢半ばにして消えていく。
ドルチェがそこそこ注目されているのも今のうちだけだ。
とくに女装アイドルなんて、すぐにおなじようなキャラがデビューしてきて、かぶって、飽きられて、そうして知らぬまに消えていく。
有栖川 唯
有栖川 唯
(芸能界のきびしさ、思い知ればいいわ!)
唯は無言で宇瑠のコゲた卵焼きと春巻きを交換して食べた。……苦い。
お茶に手をのばして、ふと動きを止めた。
宇瑠のカバンにつけられているキーホルダー、これは……。
有栖川 唯
有栖川 唯
白雪風真の、アクキー?
王子 宇瑠
王子 宇瑠
えへへ、そうなんだ。さいきんピンクが多いのも、じつは風真くんの影響で……
有栖川 唯
有栖川 唯
…………
有栖川 唯
有栖川 唯
(白雪風真! ますます気にくわないヤツ……っっ!)
にぎったペットボトルがメキッと音をたてた。