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2021/02/25

第9話

Stage2
暗い海の底みたいな世界に、色とりどりのライトがうかぶ。
おぼれそうなほどの息苦しさを感じながら、心のなかで唯は叫んだ。
──わたしの色は? わたしの色はどこ!?
ここと、あそこと、あっちと、それから……。
──ダメ、もっと……もっとがんばってよ、わたしの色!
もっとたくさん。たくさんほしい。
そうじゃないと、この真っ暗な世界に沈んでしまうから。消えてしまうから。
もっと好きになって。もっと愛して。
もっと唯を、唯という存在を、そうしてみとめてほしい。
学校のチャイムが鳴るなか、有栖川唯は中学校の教室を出た。
教室といっても、自分のクラスではない。先日欠席してしまったテストを受けるために用意された、空き教室だ。
廊下を歩いていると、たくさんの視線が唯にあつまってくる。
注目をあびることは嫌いじゃない。けれど、学校であつまる視線の多くはどこか不愉快だった。
クラスメイト
あれが……
クラスメイト
ひとりだけ特別あつかい
クラスメイト
っつーかべつにそんなカワイくなくない?
クラスメイト
え、あのこ親がいないってホント……? かわいそう
そんなひそひそ話が聞こえてくる。
なかでもとくにはっきりと聞こえたのが、「愛想悪いし、調子にのってそー」という声だ。
唯はふん、と鼻で笑ってやった。
有栖川 唯
有栖川 唯
(愛想? なんであんたたちに愛想なんてふりまかなくちゃなんないの? 調子にのってる? のってるわよ芸能人だもの。なんなの、嫉妬?)
ばっかみたい。
それに特別あつかいなんてされていない。勉強に仕事にと、両立できるように唯が特別がんばっているだけだ。
さっき受けたテストだって、だれよりも点数がいい自信がある。
有栖川 唯
有栖川 唯
(他人に文句をつけて笑ってれば自分が優秀に思えるんだから、楽ちんでいいわね、あんたたちは)