第12話

１２

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2021/02/15 04:57

塩見りん

桜都ー、今日一緒に帰れる？

無事に学校を終えてみんなが一斉に教室を出ていく中、りんちゃんが私に声をかけてくれた

中川桜都

あ、放課後はちょっと、、

りんちゃんは首をかしげる

塩見りん

桜都って部活でもしてたっけ？

中川桜都

いや、そういう訳ではないんだけど、、

私が困った顔をするとりんちゃんはニッコリと笑って

”わかった！”

といった


気、使わしちゃったよね、

りんちゃん、ごめん！と心のなかで謝る



みんな帰っていって教室に残ったのは私と神田くんだけになった

シーンとして会話はないけれども私はその空気に安心を覚えていた

なんか今日は疲れたからな...

なんて思いながら私と神田くんはいつもの窓際の席に座った

今日はどの曲にしようかなー、と考えながら楽譜を見る

中川桜都

〜♪

神田くんは私が弾いている間 窓の外を見てまた何かを考えているみたいだった

中川桜都

神田くん、？

神田輝

ん？

神田くんはそう言ってこっちを見る

私は特に理由もなく神田くんの名前を呼んでしまい

慌てて話題を頭の中で必死に探す

少ない頭の引き出しの中で出てきたのが

中川桜都

神田くんって、友達多いよね

自分、何言ってるんだ…

なんて心の中でツッコミを入れていると

神田くんが口を開いた

神田輝

そーでもないよ

中川さんだって今日すごい人気だったよ

中川桜都

人気、、？？

私は首を傾げる

神田輝

………今日男子更衣室でみんな中川さん可愛いって言ってた

中川桜都

えっ…

可愛い、、？？

私が？

そんな事を言われたのは初めてで

自然と顔が赤くなる

中川桜都

そんな...//

神田輝

っ…

神田輝

そんな顔しないでよ...

神田くんは苦しそうな顔をする

中川桜都

神田くん、？？

神田輝

あのさ、桜都って呼んでいい？？

中川桜都

え、！

神田くんは急にそんなことを言い出した

中川桜都

う、うん！いいよ！

神田輝

まじ？

神田くんは嬉しそうに笑った

名前で呼び合うとか友達みたい...

友達...？

神田くんって私のなんなんだろう、

友達って勝手に思ってもいいのかな...

私が一人で唸っていると神田くんがこっちを見る

神田輝

どうかした？

神田くんは少し首を傾げながら問いかけてくる

私は耐えられなくなって神田くんに直接聞いた

中川桜都

神田くんと私ってどういう関係なんだろう、

神田くんが驚いた顔でこっちを見る

中川桜都

友達って思ってるのは私だけ...？

神田輝

え、まって！
俺らって友達じゃないの！？

神田くんが大きな声を出す

え、、？


そう言って神田くんは一人でブツブツと喋りだした

神田輝

...そうか、俺 桜都のこと脅してるんだもんな
...ちゃんと言わないと誤解されたままか（(ブツブツ

中川桜都

？？

神田輝

あの！

突然の大きい声にびっくりする

中川桜都

はい！

神田輝

あの日、桜都のギターを聞きたいのと同時に桜都と仲良くなりたかったから脅したんだ...
脅してごめん、、
俺 中川さんのギターを今度は無理やりじゃなくて友達として聞きたい
だから、、俺と友だちになってくれる、？？

神田くんの言葉に驚く

中川桜都

...友達

神田くんは私の目を見つめる

中川桜都

うん！逆に私の方こそ友だちになってくれるなんて...

中川桜都

神田くんは私の初めての友達！

私がそう言うと神田くんは嬉しそうに笑った

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第13話１３

雲の上

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編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。