第15話

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2021/03/14 06:29
いつもの放課後、
神田くんとこういう関係になってから、かなりの日数が経っていた。

神田くんと仲良くなってからというもの、私の学校に対するイメージはガラリと変わり
今では学校が楽しいと感じるようになった。
中川 桜都
中川 桜都
(神田くんのおかげだなあ、)
いつもどおり私がギターを引いていると神田くんが急に声を発した
神田 輝
神田 輝
あのさ
中川 桜都
中川 桜都
??
神田 輝
神田 輝
おれにもギターおしえてくれない?
神田くんがギター!?
中川 桜都
中川 桜都
どうしたの急に!
神田 輝
神田 輝
いや、なんとなくさ、
私はとても嬉しかった。
私がギターを弾いたことによって神田くんがギターに興味を持ってくれ、
教えてほしいと言ってくれた。
中川 桜都
中川 桜都
もちろん全然いいよ!
そういうと神田くんの顔はとても明るくなって
神田 輝
神田 輝
まじで!嬉しい!
といった。

神田くんと仲良くしてから分かったことは、神田くんはとても感情が顔に出やすいことだ。
そんな、神田くんを可愛いな、なんて思いながらギターを神田くんに渡す。

どの曲がいいかな、と考えながら初心者向けの曲を楽譜の中から探す。
神田 輝
神田 輝
実は弾きたい曲があるんだ
私は手の動きを止めて彼に目を留める
神田 輝
神田 輝
VAUNDYの世界の秘密って曲なんだけど、
私は神田くんが曲まで決めていることに驚いた
本気なんだ、、
中川 桜都
中川 桜都
ステップだけ、ステップだけ、のやつだよね
中川 桜都
中川 桜都
わかった、難しいかもしれないけど一緒に頑張ろう
神田くんは嬉しそうにうなずいた
私は神田くんの近くによって最初のコードを教える

手と手が触れ合ってなんとなく気まずい雰囲気が流れる
中川 桜都
中川 桜都
...
しばらく無言が続いていると、教室の窓から冷たい空気が流れ込んできた。
神田 輝
神田 輝
もう、秋だね
神田くんは一言そうつぶやいて、

次のコード教えて?と言って笑った
わたしは神田くんに丁寧に説明した

いつになく近い距離で少し緊張する


ふわっと教室に流れ込んでくる風は、かすかに金木犀の香りがした。

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