第15話

喉が枯れた日
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2019/10/15 22:51
あきのんファイトー!!って叫んでやりたい。


だけど、敵側だからなぁ。
でもまぁ、どっちも大切な友達ですからね。
と、考えてる内に、リレーは始まっていた。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
…ん?あ!あれ祐樹じゃん!
昼田 祐樹
昼田 祐樹
…!
二番手に走る、あの後輩裕樹がいた。


気付いたのか、笑顔で手を振ってくれた。


てか、赤組か。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
ファイトー!裕樹ー!!
と、まぁ皆声出してるし、目立たなかったけど。


裕樹はしっかり反応してくれて、
笑顔で、ピースしてくれた。
裕樹はそのまま白組を抜かして、三番手へ渡していった。
男子
男子
あの二番手マジ速かったな(笑)
そうだろそうだろ。


うちの後輩だもん!
と、一年生は残念ながら途中で抜かされて、


一敗してしまった。


こうなると二年は負けるわけにはいかない。


二年生は応援するぞーやらめんどくさいとか。
二年のリレーが始まると、腕を掴まれた。
女子
女子
あなた!幼なじみ達走るんでしょ!
前おいでって!
と、女子に応援席の前側に連れてこられる。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
え、ちょ。
と、現在状況は、


やば、赤組負けてるし!!
そして、私の、私のクラスの前にアンカーが並ぶ。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
あきのん!ファイト!
春渡は絶対一位な!
村島 秋乃
村島 秋乃
もうほんっとやだ(笑)
谷澤 春渡
谷澤 春渡
絶対かぁ~
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
はは(笑)
あきのんが、嫌そうな顔から、バトンが近く付き、


真面目な顔に。まぁあきのんも責任感あるからね。


その後すぐ春渡がバトンを受けとる。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
がんばーーー!!!
と、今日1声を出した。
それがどちらに向けてか、あるいは二人なのか、


それは自分でも分かってないけど。



ん?あきのん速すぎじゃね?(笑)


春渡とか走ってるとき軽く笑ってるし。


アイツ真面目に走れや。
あー、もう。全く。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
春渡ーーー!!!
と、声を出したら、


あれ?何か気のせいか速くなってね?


まさかこの距離で声届いた?


いや、他の応援もあるし、そんなわけない。


お、抜かせ…いやもう目の前ゴールですけど!


あ、でも。
ゴールのピストルが鳴って
女子
女子
い、今のは?
男子
男子
ど、どっちだ…
皆が静かながらも、段々ザワザワする。


あきのんと春渡は大笑いしてるけど。


何してるんですかあの二人。
『ただいまの結果──────』
『一位は…赤組です!!』
おぉ、やったー。


てか、あきのんが予想以上に速かった。


春渡も恐ろしかったけど。


一気に皆がうるさくなる。
そして、三年は見事赤組が勝った。


リレーの選手が帰ってくる。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
あ!裕樹!
昼田 祐樹
昼田 祐樹
うっす!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
めっちゃ速かったなぁ!
昼田 祐樹
昼田 祐樹
負けたけどなぁー(笑)
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
いいんだよぉー!
と裕樹の頭をワシャワシャすると、
谷澤 春渡
谷澤 春渡
え~多分一番頑張った僕は~?
と、後ろから抱き締められる。


本当に、勘違いさせることよくするよねコイツ。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
はーい、そういうのはクラスの可愛い女子にしてもらってくださーい。
と、春渡の腕をどける。
谷澤 春渡
谷澤 春渡
えぇー?
昼田 祐樹
昼田 祐樹
…!…じゃーな!また帰ろう!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
うん!
谷澤 春渡
谷澤 春渡
ふぅーん?あの後輩くん誰?
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
近所の子!見たことない?
小学校も中学も同じだよ?
谷澤 春渡
谷澤 春渡
んー、言われてみれば。
…まぁ、良いけどね。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
は?何が?
その春渡の言葉の意味も、


どうして祐樹を少し睨んでいたのかも、


気のせいだろうし、いっか。
と、私は次の日、案の定。喉が枯れました。

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