第10話

26日、昼の話
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2019/10/15 22:36
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
26日空けろって言われたから
空けたけど…何するのかなー。
お母さん
お母さん
あれ、あなた。
今日誘われたんじゃないの?
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
いや、何するか知らん。
お母さん
お母さん
もう1時だけどねぇ…あ!
もし出掛けるなら連絡して?
お金使う?
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
うーん、2000円置いといてくれると助かりまーす。
お母さん
お母さん
そう?
じゃあお小遣いから引くからねー。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
仕方無いなぁ。
お母さん
お母さん
ちょっと買い物してくるから~
と、軽く出ていくお母さん。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
てか、あきのんどうしたんだよ…
    ピーンポーン。


え?お母さん?
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
はーい。
村島 秋乃
村島 秋乃
『秋乃でーす♪』
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
え!?あきのん?
村島 秋乃
村島 秋乃
『何だ、あなたか!良いから開けてー!
腕いったい!』
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
は?え?うん?
腕…痛い?


何か持ってきてんのかな?


と思いながらドアを開けると、
村島 秋乃
村島 秋乃
ちわっす。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
あきのん何それ!?
村島 秋乃
村島 秋乃
ん?〝浴衣〟です☆
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
浴衣…8月…26日…あれ、
今日花火大会じゃん!!
村島 秋乃
村島 秋乃
おぉ、やっと分かったかー。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
てか浴衣?まさか着るの?
村島 秋乃
村島 秋乃
うん?髪型セットするから、
椅子、座れや。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
え!?私は良いって!
私服で良いじゃん!
村島 秋乃
村島 秋乃
春渡と冬木が来るって聞いたら?
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
…お前やってくれたなぁ。
村島 秋乃
村島 秋乃
ふふーん、
天才と呼んでくれないかなぁ?
やけに自慢気に話すあきのん。


これしか言えないわ。


やってくれたなぁ。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
え、
まさか四人でという意味でしょうか…
村島 秋乃
村島 秋乃
まさかで無くともその通りですが。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
…( ; ゜Д゜)
村島 秋乃
村島 秋乃
はい座る~♪
ストンっと座らせられて、


髪を触られてる感覚がする。
村島 秋乃
村島 秋乃
はいっ、諦めてねー!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
私髪型はこのままで良いよ…
村島 秋乃
村島 秋乃
何を言ってるんですかね?
笑顔が覗きこんでくるんだけど、


その笑顔の裏側が恐ろしすぎて。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
すみません、お願いします。
村島 秋乃
村島 秋乃
よーろしいっ、
と、20分位。
村島 秋乃
村島 秋乃
ぃーよしっ!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
動いて大丈夫?
村島 秋乃
村島 秋乃
い…あ!待った待った!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
何々!
村島 秋乃
村島 秋乃
これで…よし。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
??
私の気持ちが分かっているかの様に手鏡を渡してくれる。
村島 秋乃
村島 秋乃
あ、待った!眼鏡外してと!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
わ、ぉ…
前髪はそのままで、髪は束ねて横にお団子。


後はいつも通りカチューシャをつけてもらった。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
うん、てか眼鏡外すのか、コンタクトつけないと。
村島 秋乃
村島 秋乃
つけてこーい!私も髪型やるし。
と、私はこの髪型に意外とテンションが上がっていた。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
あきのんつけた…え?早ない?
この5分で一体何が?
そこにはもう髪型をセットしたあきのん。
村島 秋乃
村島 秋乃
いやー自分のはすぐ出来るんだけどねぇー。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
可愛い!あきのん!
あきのんは、触覚をカールさせて、


髪は三つ網ポニーテール。


あとはいつも通りピンがついていた。
村島 秋乃
村島 秋乃
サンキュー!
あとは浴衣ね!
と、さっきの重そうな荷物から浴衣を出してくる。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
おぉ、どこで手にいれたんだよ…
村島 秋乃
村島 秋乃
ばーちゃんが貸してくれた!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
今度お礼にお菓子作るからそれ持ってって(笑)
村島 秋乃
村島 秋乃
…おう。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
つまみ食いすんなよ?
村島 秋乃
村島 秋乃
うっ。
図星か。しっかり釘は刺しておこう。
村島 秋乃
村島 秋乃
さてあなたさんよ。
浴衣の色。紫か、黄緑か。
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
えぇ…紫はね、補色的にあきのんが良いと思う。
村島 秋乃
村島 秋乃
美術的に考えんのかよww
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
私その黄緑の紫陽花あじさいの柄のヤツで。
村島 秋乃
村島 秋乃
私じゃあこっちの朝顔の紫で!
その後、苦戦しながらも結構上手く出来た。


私の帯は少し銀気味の白で、


あきのんは下の方に蝶が描かれた黒い帯。


私はお母さんに連絡して、遅くなりますと伝えた。
村島 秋乃
村島 秋乃
よぉし!あなた行くよ!
夏瀬 (あなた)
夏瀬 (あなた)
私のいないところでどれだけ話進めてんだよ…
カランカランと下駄の音を響かせながら、


祭り会場の神社へ向かった。

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