パシッ
僕は突然腕を掴まれた。
痛い。
「痛い!何するの!?」
「バカじゃないの!?」
何がバカなんだよ。誰だよ。おめぇは。
その時、月が出てきた。
顔が見えた。
お母さん___いや、クソ野郎だ。
「なんで!?僕なんか必要ないんだろ!?」
「っ...必要ないわけ、ないじゃない...」
「気持ち悪い!今まで...どんな思いしたと思ってんだよ!」
「ごめんなさい...」
もう、もういい。飛び降りる。
「...じゃあね」
「僕の誕生日、今日なのに誰も祝ってくれなかった。」
「バイバイ」
ヒュー←ごめん、分かんない
「う...ごめん、ごめんなさい...」
「謝ってすまねーよ!」
「謝ってすまねーよ!」これが最期の僕の言葉だった...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!