第23話

💓第20話💓
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2018/08/09 14:05
一方、その頃。
デートの順番を待つ廉は、神社の入り口付近のベンチに座って休憩していた。
そこに紫耀がやってきて、手に持ったラムネを渡す。
紫耀
紫耀
はい、兄貴
廉
珍しく気が利くな
紫耀
紫耀
珍しく褒められた
廉
褒めるとこないからな、お前は
紫耀
紫耀
ひでぇ
弟に対しても毒舌な廉に、紫耀は思わず苦笑してしまう。
紫耀
紫耀
…なぁ、兄貴
廉
なんだ?
紫耀
紫耀
本気なんだよな?あなたのこと
廉
……
紫耀は廉の隣に座り、真面目な口調で尋ねた。
紫耀は紫耀なりに、友達のあなたと兄のことを心配しているのだ。
廉はなんとなく素直に答えるのが照れくさくて、適当な言葉で誤魔化す。
廉
…誰がお前にお悩み相談するか
紫耀
紫耀
否定しないってことは当たり…だよね
廉
さぁな
紫耀
紫耀
…ふーん、いいんじゃん?
廉
なにがだ?
紫耀
紫耀
そういう普通っぽい兄貴。人間って感じがする
紫耀は廉を見て笑った。
紫耀から見れば廉は頭が良くて、医者としても優秀で、完璧すぎる兄だ。
その兄が本気で恋愛する姿は、紫耀の目にしても新鮮に映るのだ。
廉
…人間っぽいって…俺は人間だろ
紫耀
紫耀
そうだった。すいませーん
笑顔でおどける紫耀に、廉も苦笑した。
でもこんなふうにたまには男兄弟、腹を割って話すのも悪くないな…と廉は思った。

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