白濱に変な誤解をされているとは夢にも思わず、自宅に戻ったあなたは庭に出て、冷たいスイカを食べていた。
玲於のセリフを思い出しては、あなたはニマニマしてしまう。
あなたが玲於のことを考えていると、涼太が後ろから忍び足で近づいてきて、パクッとスイカをつまみ食いした。
涼太はイラッとして、あなたからスイカを取り上げる。
あなたは背伸びをして涼太を追い回すが、涼太の背が高いため手が届かない。しかも涼太の周りをちょこまかしている途中でテーブルにぶつかってしまい、そのまま後ろ向きに倒れた。
テーブルの上にあおむけ状態で倒れたあなたと、あなたに上から押し掛かるような形になった涼太。2人は今すぐにキス出来そうなほど至近距離に近づく。
兄とはいえ、涼太は超絶イケメン。さすがのあなたもパチパチと瞬きをして、動きを止めてしまう。
それにあなたの上に覆いかぶさる涼太の瞳が、いつもと違って切なさを帯びているようなきがして······。
だけどそこに突然、廉の声が響いた。家の門の向こうから廉がやってくるのが見えて、あなたは自分の上にいる涼太をドンッと押しのけた。
廉はあなたの頬に手を伸ばし、優しく微笑む。
甘い言葉を囁かれたあなたは、うっとりと廉に見とれてしまった。
廉はなぜかあなたではなく涼太に声をかけて、今来た道を戻っていった。涼太は仏頂面をしながらも、渋々廉のあとに続く。
その後、涼太は廉に誘われるまま、海岸を黙々と歩いた。
涼太は驚きのあまり、大きく目を見開いた。
よりにもよって1番知られたくなかった男に最大の秘密を知られて、涼太は焦った。
······そう、廉の言う通り、あなたは涼太の実の妹じゃない。
それが片寄家・最大の秘密なのだ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!