第13話

💓第10話💓
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2018/07/30 04:10
白濱に変な誤解をされているとは夢にも思わず、自宅に戻ったあなたは庭に出て、冷たいスイカを食べていた。
あなた
あなた
君は僕を好きになる······かぁ······
玲於のセリフを思い出しては、あなたはニマニマしてしまう。
あなたが玲於のことを考えていると、涼太が後ろから忍び足で近づいてきて、パクッとスイカをつまみ食いした。
あなた
あなた
! ちょっ、お兄、勝手に食べないでよ
涼太
涼太
なに考えてた?犬バカの女ったらしのことか?それとも、教育実習生か?
あなた
あなた
な、なんで亜嵐先生が出てくるのよ
涼太
涼太
(名前で呼んでるし……)
お姫様抱っこされたんだって?
あなた
あなた
あれはただ、保健室に連れてってくれただけですよーだ
涼太
涼太
へー······
涼太はイラッとして、あなたからスイカを取り上げる。
あなた
あなた
ちょ、お兄!スイカ、返してよ!
涼太
涼太
······ふん
あなたは背伸びをして涼太を追い回すが、涼太の背が高いため手が届かない。しかも涼太の周りをちょこまかしている途中でテーブルにぶつかってしまい、そのまま後ろ向きに倒れた。
あなた
あなた
きゃっ!
涼太
涼太
あなた!
テーブルの上にあおむけ状態で倒れたあなたと、あなたに上から押し掛かるような形になった涼太。2人は今すぐにキス出来そうなほど至近距離に近づく。
あなた
あなた
お、お兄?
涼太
涼太
······
兄とはいえ、涼太は超絶イケメン。さすがのあなたもパチパチと瞬きをして、動きを止めてしまう。
それにあなたの上に覆いかぶさる涼太の瞳が、いつもと違って切なさを帯びているようなきがして······。
廉
見ーちゃった、見ーちゃった
あなた
あなた
!?
だけどそこに突然、廉の声が響いた。家の門の向こうから廉がやってくるのが見えて、あなたは自分の上にいる涼太をドンッと押しのけた。
あなた
あなた
廉くん!
廉
お邪魔だったみたいで
あなた&涼太
ぜんっぜん!
廉
そろってるし
あなた
あなた
あ、よかったら、中へどうぞ
廉
それは今度にする。これから当直なんだ。その前に、ちょっと顔みたかっただけだから
あなた
あなた
顔?
廉
あなたの顔だよ
あなた
あなた
廉はあなたの頬に手を伸ばし、優しく微笑む。
廉
目的達成
あなた
あなた
······!
甘い言葉を囁かれたあなたは、うっとりと廉に見とれてしまった。
廉
涼太、ちょっとそこまで送ってくれるか
涼太
涼太
え?
廉
じゃあな、あなた
あなた
あなた
はい。お仕事頑張ってください
廉はなぜかあなたではなく涼太に声をかけて、今来た道を戻っていった。涼太は仏頂面をしながらも、渋々廉のあとに続く。
その後、涼太は廉に誘われるまま、海岸を黙々と歩いた。
廉
涼太、お前、もしかして知っちゃった?
涼太
涼太
なにを?
廉
あなたが実の妹じゃないってこと
涼太
涼太
! なっ······!?
廉
······やっぱり。わかりやすい奴だよな
涼太
涼太
涼太は驚きのあまり、大きく目を見開いた。
涼太
涼太
(どうしてこいつがその秘密を知っているんだ!?······どうして?どうして?どうして!?)
よりにもよって1番知られたくなかった男に最大の秘密を知られて、涼太は焦った。
······そう、廉の言う通り、あなたは涼太の実の妹じゃない。
それが片寄家・最大の秘密なのだ!

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