第26話

💓第23話💓
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2018/08/13 11:42
廉との制限時間も過ぎて、あなたは再び神社入り口前にやってきた。
階段の下には、あなたを心配した涼太が、1人で待っている。
涼太はあなたと廉が仲良く手をつないでいるのを見て、思わず眉間に皺を寄せた。
幸せそうに微笑みあっている2人の姿に、嫌な予感が止まらない。
あなた
あなた
廉くん、ありがとうございました
廉
俺も、楽しかった
あなた達のほうはといえば、涼太のことなど眼中にない様子で、2人だけの世界に入っている。
あなたは名残惜しそうにつないでいた手を離すと、ゆっくりと階段を下り始めた。
あなた
あなた
っ!あっ!
廉
あなた!?
あなた
あなた
っ!
だけどその時、あなたは階段を踏み外してしまった。
下にいた涼太が、あなたの危機を察知して、とっさに階段を駆け上がる。
涼太
涼太
あなたっ!
あなた
あなた
気づけば宙に浮いたあなたの体を、涼太がしっかり抱きとめてくれていた。
涼太同様廉も手を伸ばしたが、あなたと涼太は勢いよく階段の下に転げ落ちてしまう。
涼太
涼太
ぐあっ!
あなた
あなた
お兄!?
廉
涼太!
あなたを庇った涼太は、仰向けのまま階段の下に倒れた。
あなたは悲鳴を上げ、廉も慌てて涼太に駆け寄る。
廉
涼太、しっかりしろ。大丈夫か!?
涼太
涼太
…っ、くそ…っ
あなた
あなた
お兄!
廉は医者らしく、冷静に涼太のケガの様子を見て、応急処置を施す。
その間も涼太は自分ではなくあなたの心配ばかりしていた。
涼太
涼太
あなた、大丈夫か?
あなた
あなた
私は全然
涼太
涼太
お前が無事なら…それでいい
あなた
あなた
あなたの下敷きになりながらも、涼太はあなたの無事を確認するなり微笑んだ。
あなた
あなた
(…もうっ、お兄はどうしてそんなに優しいの!?)
あなたは涼太の愛情を痛いくらいに感じ、思わず瞳を潤ませた。

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