第73話

私やめる [浦田編]
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2021/04/28 09:00


















あなた

私あなたに恋するのやめる















学校生活最後の旅で



私の恋やめます。











少し私へ風が吹いてそれが



私に冷たく触れた。








なぜ泣いたの?
浦田
ごめんッッ、、、






泣かれたら戻りたくなるじゃん











ずっと好きだった




高校に入ってあなたに恋をして3年が経っていた




ずっと片想い。




振られた回数も覚えてない










でも、もう辛いから苦しいから




終わりにしようと思う








そう伝えたのは3年生の旅行






終わりを伝えても振り向いてくれなかったね








少し期待したのに、、馬鹿みたい



あなた

これで終わりなんだね






私は寂しく切なくトイレの個室で声を殺して泣いた














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朝登校すると






朝一に来るうらたんが居なかった





あなた

来てないのかぁ






いつも2人きりの朝だった




そりゃあ気まずくなるの分かるから
来ないよね、、








朝の学活







重たい雰囲気を醸し出す先生







まだうらたんは来てなくて





遅刻なんてしないから私に会いたくなくて
休んだのかなって思ったけど





耳を疑ったの






先生
浦田が亡くなった




私は思いっきり立ち上がった




あなた

先生ッ、、、どういうことなの?









馬鹿みたいに声が震えてた








信じてなんかない







聞き間違えだと脳に言い聞かせて



自分の脳が腐ってるんじゃないかって











でも、誰も嘘だって言ってくれなくて



涙も体にある分全部出ても止まらなくて








あなた

なんでッッ、、、

先生
心臓の病気だったろッッ
先生
元々悪化してきてたらしくて
先生
隠してらしいんだ
あなた

私の心臓、、あげるからさッッ







そう先生にすがるけど




ごめんって言う謝んないでよ








今の自分がとっても怖い



明日になったら来年になったら居ないのが普通になるなんて怖くて吐いた
















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あれから半年






私は最後にうらたんが使っていた席に座っている












よく顔を伏せて目を閉じる



少しだけいや、妄想なだけかもしれないけど
うらたんの匂いがする


















手紙が見つかったと言う







私は読めずにまだ制服のポケットの中



私に宛名もちゃんと手書きで残してあった








あなた

ああ、、もう半年かぁ








もちろんクラスメイトも最初は
急な友達の死に頭を抱えていた




今となってはみんなも状況は飲み込んだと思う










手紙を手に出す






先生
あなた、読んでないのか
あなた

うん、一生読まないかも、、、





読まないかもなんて言ってるけど



本当は読めないかもなんだけどね。











先生
いい天気だな





そうやって
空を見上げる先生、窓からは強い日差しで光が差している









ふと手紙を太陽に照らした







『本当は俺も大好きだよ』
























うっすら透けた手紙には、そう書かれていた








先生
ちょ、、お前なんで泣いてんだ?





不思議そうに見る先生






あなた

先生

あなた

私辞められそうにないです

先生
何がだ?















あなた

恋、、です





あなたへ






元気にしてるかー?
あなたのいいところを書こうかな。
誰かが困ってるとすぐ駆けつけて声をかける。誰も消してない黒板を文句も言わず消す。人の目がないところでも活躍する。好き嫌いをしない。






こんな俺を好きになってくれる。
こんな俺にも優しくしてくれる。



どんなに突き放してもずっと好きでいてくれる。


ねぇ、ちゃんと辞めれた?


俺のこと諦めてくれたんだよね?
昨日そう言ってくれたから俺安心したんだよ。きっといつか他のやつと恋して幸せになるんだろうなってさ。でも、それで良かったはずなのに俺は嫌だよ。



      本当は俺も大好き



好きだよ。口で伝えたいけどこれを伝えたら終わりなんだと思った。
俺は死ぬしあなたを幸せにできない。だから、もう俺のことなんか忘れてくれて良かったよ。次に進むんだ。
俺に片想いしてたことなんて忘れていいんだ。
俺への片想いをやめてくれてありがとう。

   


              浦田




















































本当は俺が幸せにしてやりたい






     




最後にはそう小さく書いてあった


それに少し滲んでた











ごめん、うらたん。


最初で最後の嘘ついたよ










  

 


私恋辞められなかったよ。


end

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