第88話

嫌いになれないみたい… [志麻編]
1,608
2022/01/21 12:00

短編集だけどちょっとこのお話はだいぶ中編集かも
ごめんなさい!







______________












両思いって奇跡だと思う









志麻
 ごめん…別れよう 






やっと運命の人に出会えと思った恋だった











彼から好きと言われた数は2、3回だったけど幸せだった












あなた

 私のこと好きだった? 





最後に聞くのがこんなことなんて情けない





志麻
 まぁ…    
あなた

 そう…笑 

あなた

 今までありがとうね 







こんなときでも好きなんて言葉は言ってくれない









彼は口下手でそんなところが好きだった



















____________________________











みか
 別れた?! 
あなた

 うん、あっけなく 







数日後悩んだけど結局屋上で親友のみかに打ち明けた。









みか
 そっか…でも長い方だよ8ヶ月は 
あなた

 うん 

あなた

 だから、嫌いになれない 

みか
 嫌いになる必要はないでしょ 
あなた

 ううん 

あなた

 嫌いにでもならないともっと好きになっちゃう 

みか
 …ホントに恋だね 







この時期には珍しい涼しい風が頬を撫でた











みか
 ほれ、授業行くよ!
あなた

 うん! 







最近は座ってるだけで授業の内容は入ってこない











それに斜め前が彼だから余計ね…












先生
 今日は〜、あなた! 
あなた

 え? 

先生
 2番解いてみろ 
あなた

 えっと…

 









こんな時に何で当たるのよ…






恥かくだけなのにやめてよね





先生
 こんな簡単な問題もわからないのか? 
あなた

 あ…えっと 

志麻
 80だよ 
あなた

 え? 







彼とあの日ぶりに目があった






あなた

 80です 

先生
 お!正解だ! 





クラスに拍手が湧くと同時に




彼も同じように前を向き直して拍手をしてた








あなた

 もっと好きになっちゃうじゃん 

みか
 ちょっ…あなた   
先生
 え、あなたどうした?! 






私はなぜか涙が止まらなかった









あなた

 あんたなんか大っ嫌いよ! 

志麻
 …っ 
あなた

 早退します! 

 







カバンを持って私は逃げた








追いかけてきたみかを突き放して








私は走った走った









あなた

 嫌いだよもう! 






叫んだら何とかなるかと思って大声を上げるけど








私にはあまり似合わなそうだ













その日夜遅く家に帰ったら









母が私を呼んだ






お母さん
 私、再婚しようと思うだけどどうかな? 
あなた

 ホント? 







私のお父さんは借金を残して逃げた男











お母さんが幸せを見つけたなら私もそれを





邪魔したくない







あなた

 私は全然大丈夫!お母さんが幸せなら私も幸せだよ 

お母さん
 そう?あなたは優しいね… 
お母さん
 あなたに聞いて良かったら 
お母さん
 一緒に住もうかなって思ってて 
あなた

 全然いいよ! 

 








私もお父さんができるなら嬉しい












それにそんな幸せような顔をして話すお母さんを





見てると反対なんて出来ないから







お母さん
 それでね 
お母さん
 相手の方にね同い年の子の息子さんがいるの 
お母さん
 誕生日的に弟が出来るんだけど…   
あなた

 ホント?笑 弟欲しかったから嬉しいな 

お母さん
 写真があってね… 
お母さん
 あ!この子 
あなた

 …え 

 








彼だった








 
志麻くんだった






お母さん
 同じ学校って聞いたんだけど…   
あなた

 あぁ〜、見かけたことあるかも 

お母さん
 あら、ホント?
お母さん
 同級生とは気まずいよね、やっぱり辞めようか 
あなた

 ううん! 

あなた

 全然大丈夫よ!弟嬉しいな〜!










これからは私の弟かぁ…













あなた

 気持ち入れ替えよう 

 



ぱしゃっとお風呂の水を顔にかけ






前の私とはお別れしたつもり















__________________________________________










今日は顔合わせの日+同棲開始日
お母さん
 お邪魔します 
あなた

 お邪魔します 

お父さん
 いらっしゃい! 
志麻
 こんにちは 
あなた

 初めましてこんにちは 

 









私の顔死んでないかな…








これからは家族なんだ







ちゃんとしよう








お父さん
 志麻、あなたちゃんのこと案内してやってくれ
志麻
 …ん 
 





あ、お父さんの時もそっけないんだ…笑








って私何思ってだか







お互いの親には秘密だったからこんなことになったんだ









家族のこともっと知ってれば












志麻
 あなた…ちゃん行こう 
あなた

 うん 

 







これでいい 






お母さんが幸せならきっと私も幸せだ






二階に上がる志麻について行った






志麻
 ここがあなたの部屋 
あなた

 あれ〜、さっきはあなたちゃんじゃなかったっけ?

志麻
 ……っ 
あなた

 冗談冗談 

あなた

 よろしくね、家族として 

志麻
 なぁ、あなたは 
あなた

 お母さんとも仲良くしてね!頼むよ 

志麻
 …ん 

察しがいいあんたは助かるよ








ずっとそういうところに助けられた







弟かぁ












彼は今まで理由なしに何かを発言することはなかった












だから、今となっては彼が何かを口にする隙を与えないように

















私が想像するものがあっているのならこれ以上家族は続けられないと思う















だから私は深掘りはしない













知らないふりをする













彼は私と別れたくて別れを告げたんだから







それだけで別れる理由には十分だ












だけど君を知った8ヶ月間は濃くて









彼のことをたくさん知ったからこそ












やっぱり














あなた

 嫌いになれないよ 

志麻
 嫌いになれねぇ 









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