短編集だけどちょっとこのお話はだいぶ中編集かも
ごめんなさい!
______________
両思いって奇跡だと思う
やっと運命の人に出会えと思った恋だった
彼から好きと言われた数は2、3回だったけど幸せだった
最後に聞くのがこんなことなんて情けない
こんなときでも好きなんて言葉は言ってくれない
彼は口下手でそんなところが好きだった
____________________________
数日後悩んだけど結局屋上で親友のみかに打ち明けた。
この時期には珍しい涼しい風が頬を撫でた
最近は座ってるだけで授業の内容は入ってこない
それに斜め前が彼だから余計ね…
こんな時に何で当たるのよ…
恥かくだけなのにやめてよね
彼とあの日ぶりに目があった
クラスに拍手が湧くと同時に
彼も同じように前を向き直して拍手をしてた
私はなぜか涙が止まらなかった
カバンを持って私は逃げた
追いかけてきたみかを突き放して
私は走った走った
叫んだら何とかなるかと思って大声を上げるけど
私にはあまり似合わなそうだ
その日夜遅く家に帰ったら
母が私を呼んだ
私のお父さんは借金を残して逃げた男
お母さんが幸せを見つけたなら私もそれを
邪魔したくない
私もお父さんができるなら嬉しい
それにそんな幸せような顔をして話すお母さんを
見てると反対なんて出来ないから
彼だった
志麻くんだった
これからは私の弟かぁ…
ぱしゃっとお風呂の水を顔にかけ
前の私とはお別れしたつもり
__________________________________________
今日は顔合わせの日+同棲開始日
私の顔死んでないかな…
これからは家族なんだ
ちゃんとしよう
あ、お父さんの時もそっけないんだ…笑
って私何思ってだか
お互いの親には秘密だったからこんなことになったんだ
家族のこともっと知ってれば
これでいい
お母さんが幸せならきっと私も幸せだ
二階に上がる志麻について行った
察しがいいあんたは助かるよ
ずっとそういうところに助けられた
弟かぁ
彼は今まで理由なしに何かを発言することはなかった
だから、今となっては彼が何かを口にする隙を与えないように
私が想像するものがあっているのならこれ以上家族は続けられないと思う
だから私は深掘りはしない
知らないふりをする
彼は私と別れたくて別れを告げたんだから
それだけで別れる理由には十分だ
だけど君を知った8ヶ月間は濃くて
彼のことをたくさん知ったからこそ
やっぱり
next
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。