あの頃の私は大人では無かった。
約10年前に私は“教師”だった。
ガラガラガラ
そう言って手を合わせて私にせがんでくる。
私はその頃自覚はしてなかったけどきっと好きだったんだ、
まふくんを、、、
昼休み中
そう言いながら私はまふくんの頭を撫でた。
その背中に夢中になってしまった。
あれから2年後
まふくんは三年生になった。私は担任ではなく副担任としてクラスを受け持った。
三年生でも担任をするつもりだったけど
そう言われたときに自分の思いは分からず返事はせず
そういい私は現実から逃げ出した。
その日からグランドで遊んでるまふくんと見たり図書館で本を読んでるまふくんを眺めたりすることが多くなった。
あの日からまふくんは私に話しかけなくなったからだ。 なぜか、私は寂しくてたまらなかった。
きっとこれが「恋」と言うものならばわたしは教師として失格だ。
だから、この気持ちは絶対自分以外にはもらさず心に鎖をかけ担任を持つのではなく一旦手を引き副担任になりこの気持ちを消し去ろうと思った。
そう呟く私の瞳にはサッカーをしてる貴方が映ってる。
この気持ちに正直になるべき?それとももう消し去るべき?
わたしには正解が分からないよ。
放課後
みんなが帰った後教室に取りに行くものがあってクラス向かった
ガラガラ
いつもの教室とか違って放課後のクラスはシーンとしてる。 まっさらな感じ、私の頭の中と同じかもね。
取りに来たものを見つけた教室を後にしようとした時、ある一つの椅子に上着がかかっていた
私は手に取り誰のかをみた
そのとき
ガラガラ
私が見上げたとき風に揺れている白い髪の毛を久しぶりに見た。
上着を着ていなかったためこの上着はまふくんのだと分かった。
でも、この空気感最悪だよね。
わたしは上着を渡した。
そういうと
聞き間違いかと思ったけど彼は目を閉じて手を大きく広げてくる。
ギュウ
まふくんの力は強くてなぜか心地が良い。
そう涙ぐんで言う。声が耳元で聞こえるから…どうしたら救えるのか分からなくて
先生は生徒に寄り添って卒業までの道のりをサポートするの辛いことがあったら相談乗るし救えるように手助けをするのに…
わたしにはどうすることもできないなんて
抱きしめる力はさらに強くなって
そう言うとまふくんは抱き締めるのをやめて私に顔を向けた。
そう呟くと私はまふくんに
チュッ
とした。
まふくんは唖然としていて。
私は先に教室を出てポケットに入った
「退職届」
を握りしめ校長室に向かう。
もう、私は教師じゃないよ
完
教師と生徒の恋愛はどう思いますか?
私はありだと思います。それが本当に俗に言う「運命」の人かもしれない…そんなのだれにもわかんないんだからね。
ということで感想・リクエストなどなどのコメント沢山お待ちしております。
また、次回で〜!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!