第54話

私はあの頃おかしかったんだ【まふまふ編】
4,024
2020/08/21 18:23
あの頃の私は大人では無かった。




約10年前に私は“教師”だった。


あなた

はーい!みんな席について〜!

生徒1
は〜い!
生徒2
先生まふくんが来てませんよ〜
あなた

え?

ガラガラガラ
まふまふ
セーフ!
あなた

アウトですよ〜

まふまふ
え〜!先生お願い今回だけ見逃して!
そう言って手を合わせて私にせがんでくる。


あなた

うーん、いいよ。 ホームルーム始めるから座ってね!

まふまふ
よっしゃ!
生徒1
まふ、見逃してもらうとか羨ましいなぁー!
まふまふ
へへ!いいだろ〜♪(´ε` )
あなた

はいってことでホームルーム始めますよ!

私はその頃自覚はしてなかったけどきっと好きだったんだ、



まふくんを、、、



昼休み中
まふまふ
あなた先生!
あなた

どうした?

まふまふ
これ、お弁当作ってきたんですよ!
あなた

へぇー!自分で??

まふまふ
そうですよ!!褒めてください!
あなた

すごいすごい!!

そう言いながら私はまふくんの頭を撫でた。
まふまふ
ふふ//  ありがとうございます!
生徒1
おーい!まふ、あなた先生と仲良くするのもいいけどサッカーしようぜ!!
まふまふ
分かった!今、いく!!
生徒1
早こいよー!
まふまふ
あなた先生、行ってくるね!
あなた

うん、次の授業遅れないようにね。

まふまふ
もちろんです!!行ってきまーす!
その背中に夢中になってしまった。




あれから2年後



まふくんは三年生になった。私は担任ではなく副担任としてクラスを受け持った。

三年生でも担任をするつもりだったけど
まふまふ
あなた先生好きです。
あなた

え…

そう言われたときに自分の思いは分からず返事はせず
あなた

こら、まふくん。先生をいじらないの!

まふまふ
本気です。
あなた

いや!まふくん、友達にやれって言われたんじゃないの?

まふまふ
いや((
あなた

私これから会議なんだ。ごめんね。

そういい私は現実から逃げ出した。

その日からグランドで遊んでるまふくんと見たり図書館で本を読んでるまふくんを眺めたりすることが多くなった。




あの日からまふくんは私に話しかけなくなったからだ。  なぜか、私は寂しくてたまらなかった。





きっとこれが「恋」と言うものならばわたしは教師として失格だ。


だから、この気持ちは絶対自分以外にはもらさず心に鎖をかけ担任を持つのではなく一旦手を引き副担任になりこの気持ちを消し去ろうと思った。
あなた

ごめんね、まふくん。

そう呟く私の瞳にはサッカーをしてる貴方まふくんが映ってる。



この気持ちに正直になるべき?それとももう消し去るべき?


わたしには正解が分からないよ。
放課後

みんなが帰った後教室に取りに行くものがあってクラス向かった



ガラガラ



いつもの教室とか違って放課後のクラスはシーンとしてる。 まっさらな感じ、私の頭の中と同じかもね。
あなた

あ!これこれ〜

取りに来たものを見つけた教室を後にしようとした時、ある一つの椅子に上着がかかっていた
あなた

忘れ物かな…

私は手に取り誰のかをみた


そのとき
ガラガラ


私が見上げたとき風に揺れている白い髪の毛を久しぶりに見た。
まふまふ
あっ。
あなた

あ、これまふくんの?

まふまふ
そうです。
上着を着ていなかったためこの上着はまふくんのだと分かった。


でも、この空気感最悪だよね。
あなた

どうぞ。

わたしは上着を渡した。
あなた

私がいると空気重くなっちゃうよね。職員室戻るね。

そういうと
まふまふ
もしかしたら
あなた

うん?

まふまふ
もしかしたらあなた先生の視界の一部にも僕は入っていないかもしれないです。
まふまふ
でも、僕はきっと最初で最後の心の底から好きな人が先生だと言えるぐらい好きです…
あなた

……。

まふまふ
だから今日で身を引きます。また、生徒みたいに接してくれます?
あなた

身を引くって…?

まふまふ
もう、諦めます。先生と生徒ですもん。
あなた

う…ん。

まふまふ
普通に考えておかしいですもん。だから、僕は身を引くので最後にお願い聞いてもらえませんか?
あなた

…出来る限りのことならいいけど、、、。

まふまふ
僕のこと抱きしめてくれませんか。
あなた

え?

聞き間違いかと思ったけど彼は目を閉じて手を大きく広げてくる。
あなた

分かったよ…

ギュウ
まふくんの力は強くてなぜか心地が良い。
まふまふ
僕、もっと早く生まれたかったです。
そう涙ぐんで言う。声が耳元で聞こえるから…どうしたら救えるのか分からなくて
まふまふ
僕、後悔しちゃいますかね?
あなた

分からないけど…なんで私は先生なのにまふくんを救えないの。

先生は生徒に寄り添って卒業までの道のりをサポートするの辛いことがあったら相談乗るし救えるように手助けをするのに…



わたしにはどうすることもできないなんて
まふまふ
もっともっと早くに生まれて先生とも出会って先生の恋愛対象として見てもらえるようになりたかったよ。
抱きしめる力はさらに強くなって
あなた

まふくん。

あなた

顔見せて

そう言うとまふくんは抱き締めるのをやめて私に顔を向けた。
あなた

きっと早く生まれたら私達出会えなかったよ。

まふまふ
え?
あなた

分からないけどきっと神様はよく試練を与えるでしょ?

あなた

それみたいに生徒と先生だったらどうする?!って感じの意地悪だと思うの。

まふまふ
うん。
あなた

私は教師で貴方は生徒

まふまふ
…うん。
あなた

私はこのままだと後悔しちゃう

まふまふ
え?
あなた

私きっとおかしいんだよね。

そう呟くと私はまふくんに


チュッ


とした。
まふまふ
え。
まふくんは唖然としていて。
あなた

バイバイ、まふくん。

私は先に教室を出てポケットに入った

「退職届」


を握りしめ校長室に向かう。
あなた

最初で最後の貴方まふくんへの恋

もう、私は教師じゃないよ














教師と生徒の恋愛はどう思いますか?
私はありだと思います。それが本当に俗に言う「運命」の人かもしれない…そんなのだれにもわかんないんだからね。




ということで感想・リクエストなどなどのコメント沢山お待ちしております。



また、次回で〜!!

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