2人で待合室の椅子に座る。
私はずっとテヒョンにくっついていた。
時計は5:44を指していた。
テヒョンは席を立つ。
すると私はテヒョンの裾を掴んで
가지마! 여기 있어 …
( 行かないで!ここにいて…… )
と思わず言ってしまった。
私のテヒョンの裾を引っ張る手は少し震えていた
するとテヒョンは振り向いて
私を強く抱きしめる。
その手も僅かに震えていた。
テヒョンのおおきな瞳からは涙が溢れていた。
それを見て私も泣いてしまう
すると
テヒョンは私の額にキスをした。
続けて唇にも深いキスを落とした。
搭乗のアナウンスが流れる。
私はテヒョンに回していた腕を解く
テヒョンが私の手をぎゅっと握る
それからしばらく私達は国を超えた遠距離恋愛となった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。