二人は中に入り、城よりも発展した都市に驚く。洞窟の中には、多くの女性がいた。多くの石でできた芸術的な家や、透明な水が流れる川、ライトが豊富な坑道、家畜の牛や豚、馬。などなど、発展している。中でも一際目をひいたのは、広大な花畑だ。珍しい薬草が先が見えないほど、洞窟の中に咲いていた。そのど真ん中に、平たい岩があった。その岩の上で、長があぐらをかいて座っている。
ダイアナは集落の方へ戻って行った。二人は長の目の前に行く。
リブはそう言って立ち上がった。
リブはその空間からいなくなった。取り残された二人はリブの背中を見つめ、肩を落とした。
それから数日が経った。森の族はいつも通りの日常を送っている。
それを聞いた途端、リブの顔は真っ青になった。その顔は次第に怒りに変わり、リブからは押しつぶされそうなほど強い圧が感じられる。レムリアは、リブがカルロ達に紹介した戦闘民族の長だ。
リブは静かに族の皆に伝えた。剣を持ち、一人先に戦場へ飛ぶ。レムリアの遺体を見つけ、リブはそこに降り立った。兵たちが驚いた顔でリブを見ている。遠くにカルロが見えた。リブはカルロを睨みつけ、レムリアを抱き抱えて飛んだ。近くの崖の上にレムリアを座らせ、頭から流れた血を拭う。そして、崖の下に向かって、冷たい声で言う。
兵の中から手が上がった。敵国の将軍だ。リブは崖の下に飛び降り、男の首を切った。その一部始終、周りの誰もが目で捉えることは出来なかった。リブは剣をしまい、後から来た森の族の人達に向かって言った。
地面が揺れるような女たちの雄叫びに、敵国の兵たちは怯んで逃げ出した。リブは兵たちを駆け抜けるついでのように次々に切っていく。そこは一瞬で血の海となった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。