第3話

EPISODE1 3
5
2020/12/09 09:00
二人は中に入り、城よりも発展した都市に驚く。洞窟の中には、多くの女性がいた。多くの石でできた芸術的な家や、透明な水が流れる川、ライトが豊富な坑道、家畜の牛や豚、馬。などなど、発展している。中でも一際目をひいたのは、広大な花畑だ。珍しい薬草が先が見えないほど、洞窟の中に咲いていた。そのど真ん中に、平たい岩があった。その岩の上で、長があぐらをかいて座っている。
ダイアナ
ダイアナ
長の元へどうぞ。
ダイアナは集落の方へ戻って行った。二人は長の目の前に行く。
リブ
リブ
私はリブ。お前たちは。
カルロ
カルロ
ソリティア帝国第二皇子カルロと申します。
エレン
エレン
クライン公爵家長男エレンです。
リブ
リブ
さっきの話、私は受けるつもりはない。でも、私の知り合いに、戦闘民族の長がいる。その者達を訪ねれば必ず力になってくれる。場所は南の森の大きな岩石近くだ。
リブはそう言って立ち上がった。
リブ
リブ
分かったら帰れ。用は済んだ。
リブはその空間からいなくなった。取り残された二人はリブの背中を見つめ、肩を落とした。
それから数日が経った。森の族はいつも通りの日常を送っている。
森の族の女
森の族の女
長!!レムリア様が戦場で…!!
それを聞いた途端、リブの顔は真っ青になった。その顔は次第に怒りに変わり、リブからは押しつぶされそうなほど強い圧が感じられる。レムリアは、リブがカルロ達に紹介した戦闘民族の長だ。
リブ
リブ
…今すぐレムリアを迎えに行く…。戦場へ行くぞ。
リブは静かに族の皆に伝えた。剣を持ち、一人先に戦場へ飛ぶ。レムリアの遺体を見つけ、リブはそこに降り立った。兵たちが驚いた顔でリブを見ている。遠くにカルロが見えた。リブはカルロを睨みつけ、レムリアを抱き抱えて飛んだ。近くの崖の上にレムリアを座らせ、頭から流れた血を拭う。そして、崖の下に向かって、冷たい声で言う。
リブ
リブ
レムリアを殺したのは誰だ。
兵の中から手が上がった。敵国の将軍だ。リブは崖の下に飛び降り、男の首を切った。その一部始終、周りの誰もが目で捉えることは出来なかった。リブは剣をしまい、後から来た森の族の人達に向かって言った。
リブ
リブ
全員殺せ。
森の族の女
森の族の女
『おおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!!』
地面が揺れるような女たちの雄叫びに、敵国の兵たちは怯んで逃げ出した。リブは兵たちを駆け抜けるついでのように次々に切っていく。そこは一瞬で血の海となった。

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