今日は皇城で建国祭が開かれる。カルロは、父である皇帝にひざまずいた。
皇帝の部屋に響く声は震えていた。皇帝はカルロを追い出し、扉を閉めた。扉の外にはエレンがいる。
カルロは虚空を睨みつけながら廊下を歩いていった。
建国祭は国中のどんな人間も必ず皇都に来なければいけない日だ。そのため、いくら独立している森の族でも、皇都に来る。それなのに、カルロはリブを見つけることが出来ずにいた。
森の族の人だ。カルロはその女性の両肩を掴んで言った。
女性はカルロから目を逸らし、言った。
女性はそう言ってカルロから離れた。カルロはすぐ近くにダイアナの姿をみつけ、全速力でダイアナの前に飛び出した。
驚きを隠せない様子のダイアナを、強引に建物の陰に連れ込み、聞いた。
怒鳴り合う二人。カルロは口元を押さえ、申し訳なさそうにダイアナを見た。
ダイアナが深く、大きなため息をついた。
ダイアナが真上を指さした。すると、スタッという音がして、リブが降りてきた。リブはダイアナに向かって頷き、ダイアナが去っていったのを見て、カルロを見た。
リブは馬鹿にするように冷たく言った。数千年。その長い月日には、気の遠くなるような戦慄があった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。