第14話

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2021/05/23 07:11




「めちくちゃにする」





その宣言通りしたからなのか






真琴は俺の腕の中でグッタリしていた。







2人共、大汗をかきながら





部屋の中には、肩で息をしている俺と真琴の






吐息が響いた。


矢野晴人
矢野晴人
真琴…可愛い…




俺は、真琴の頬を撫でた。





矢野晴人
矢野晴人
…ごめん…ヤリすぎた
大丈夫…?




俺は、真琴の頬を撫でながら






唇が触れそうなくらいの距離で聞いた。





神野真琴
神野真琴
うん…わたし、すごく幸せだから…




真琴は俺の首元に腕を回して





抱きしめながらそう言った。





矢野晴人
矢野晴人
ふーん。なら、もう一回する?笑
神野真琴
神野真琴
いや、それはちょっと。笑




真琴は笑いながら俺から離れて





背を向けた。








矢野晴人
矢野晴人
嘘嘘!笑
さすがに俺も、もう気力ないわ。笑




そう言って、後ろから真琴を抱き寄せた。







真琴は、俺の手を上から握ってくれた。




神野真琴
神野真琴
…ズルいよ、晴人さんは
矢野晴人
矢野晴人
えっ?何が?笑
神野真琴
神野真琴
…晴人さん…笑わないで聞いてくれる…?
矢野晴人
矢野晴人
うん、何??
神野真琴
神野真琴
…晴人さんって
きっと、みんなに優しいでしょっ…?
矢野晴人
矢野晴人
…は?
神野真琴
神野真琴
わたし以外の女の子にも…
優しくしたり、わたしが知らない晴人さんを知ってる女の子いるかもとか…
矢野晴人
矢野晴人
神野真琴
神野真琴
…みんな晴人さんを
好きになっちゃうって思っちゃって…







真琴がどんな顔してるのか確かめたいけど







後ろから抱きしめたままだから顔が見えない。





真琴は素直な気持ちを、俺に吐き出してくれた。







そんな不意打ちとか、ダメやろ!




矢野晴人
矢野晴人
…っ、も〜!真琴〜!




俺は、真琴を自分の方に向かせて






力いっぱい真琴を抱きしめた。






ほんと、好き過ぎてたまらない。





神野真琴
神野真琴
んー!晴人さん…苦しい…
矢野晴人
矢野晴人
ん、ごめん
でも、もうちょっとだけ我慢して




コントロールが効かないほどに






俺を夢中にしたのは真琴やん。







こっちだって真琴が好き過ぎて







苦しいんだっつーの!








そうは思いつつも、さっきより手加減して








抱きしめたら、真琴が遠慮がちに







俺の背中に腕を回した。



神野真琴
神野真琴
晴人さん
矢野晴人
矢野晴人
…ん?
神野真琴
神野真琴
…わたし…1人で勝手に嫉妬して。
劣等感感じて、勝手に自信なくしてた
んだけど…
矢野晴人
矢野晴人
神野真琴
神野真琴
馬鹿みたいだよね。
だって晴人さん、こんなにわたしの事
大事にしてくれてるのに。




やっぱり…もっと言葉にして伝えないとダメなんだ






そういうのはあまり得意じゃないけど…






けど、それで真琴が安心してくれるんなら…。









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田口達也
田口達也
そんなん分からんくて当然やろ
矢野晴人
矢野晴人
…え?
田口達也
田口達也
…そもそも男と女なんて違うんやし
矢野晴人
矢野晴人
田口達也
田口達也
それで、喧嘩になったり
相手の事が分からんくなったりしても、別にいいやん。
矢野晴人
矢野晴人
田口達也
田口達也
1番大事なのは「その後、どうするのか」
やない?
矢野晴人
矢野晴人
え?
田口達也
田口達也
なんにもせず、ただただ過ごして終わるのか
…きちんと言葉にして相手に伝えるのか
矢野晴人
矢野晴人
…!




そういえば、俺の言葉足らずのせいで






「真琴と付き合ってる」って思ってたのは






俺だけだったなんて事があったっけ?






田口達也
田口達也
分かるよ?言葉で表すのは難しいって。
けど、想いを言い合えるってのも
長続きできる秘訣かもしれんで?笑
矢野晴人
矢野晴人
…達也くん…
田口達也
田口達也
…お前と真琴ちゃんなら大丈夫や。
矢野晴人
矢野晴人
…ありがとう、達也くん
田口達也
田口達也
うん。これからの飯はお前の奢りな
矢野晴人
矢野晴人
は?ふざけんな
田口達也
田口達也
笑笑
矢野晴人
矢野晴人
笑笑




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達也くんが







「真琴ちゃんヤキモチ妬いてるんちゃうか笑?」






とか言っくるから






そうだったらいいなって思ってたから






すっげー嬉しい






真琴の上に覆い被さって






俺は、真琴の唇に何度も軽いキスを落とした。







チュッ…







矢野晴人
矢野晴人
…真琴…





チュッ…チュク…










神野真琴
神野真琴
ふ、…あ…晴人さん…
矢野晴人
矢野晴人
俺の全部…真琴にあげるから…
だから…真琴の全部を俺に頂戴?




すると、真琴はドキッとした顔をして







俺をまっすぐ見つめた。





神野真琴
神野真琴
ほ、んと…?
矢野晴人
矢野晴人
ほんと





自分の気持ちを押し付けるように何度もキスをした。






そのキスを受け入れてくれる事が






真琴の答えなんだって思えた。

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